本年1月6日から7か月近くに渡って連載して来た「アラバインの竜王」、本日完結しました。これまでお付き合いいただきました読者の皆様には感謝申し上げます。また、フォローや☆レビュー、応援コメント等いただきました方におかれましては感謝の言葉もありません。
さて、この作品、プロローグでメインヒロインとの死別を描くと言う、かなり特殊な始まり方をした作品であり、困惑した読者の方も多かったと思います。
賛否両論、と言うより、ぶっちゃけ、否の反応の方が多かったと思います。直接の感想だけでなく、某掲示板でも「死別することがわかっている作品ってどうなの?」とか、「主人公が悲惨過ぎて楽しめない」と言ったご意見をいただきました。
正直、連載途中、本気で悩みました。現在のプロローグを削除して、1話冒頭にもっとラブコメっぽい導入を入れようかと。それでも結局、そのままにしました。何故なら、このプロローグ、そしてそれにつながる最終話こそが作者が一番書きたい核心だったから。
こんなプロローグを書こうと思ったきっかけは、ラノベなどでよくある展開でした。人間である主人公が、エルフや人化したドラゴンなど、長命種のヒロインと恋人になったり、結婚したりする展開。
もちろん、その展開自体は素晴らしいもので、私も好きなんですが、ふと思ってしまったんですよね。いつまでも若くて美しい嫁さんをもらった男はいいけど、最初から死に別れることがわかっているヒロインの方はどう思うんだろうって。
私はこうした、「同じ時を生きられない」ことがわかっていても、お互いを大切に想い合う二人を書きたいと思いました。そして、その際、あえて男の方を長命にしました。ヒロインの方が先に年老いて容色が衰えていく。それでも男は相手を愛し続けられるのか。
この作品の主人公、ラキウスの恋は一目惚れです。身も蓋も無い言い方をしてしまえば、セリアが美人だから好きになったのです。
そんな、見た目で始まった恋が、様々な経験を積み重ねていくうちに、見た目など関係ない程に、お互いに離れがたく結び付いていく。最終話で言及した比翼の鳥のように。まだまだ続く生を生きるより、年老いて死んでしまった妻の後を追った方が幸せだと思えてしまうほどに。
本来であれば、その積み重ねた経験を描いた後に提示すべき話であったでしょう。ただ、今回、この連載は戴冠までで完結と決めていました。私が書きたかったのは、好きな女の子と結婚するために頑張った男が王になる物語であって、王になって何をしたかでは無かったのですから。
なので、プロローグで二人が至った関係性を描き、そこに至る道筋は主人公による過去回想として描かせていただくことにしました。
───以上が、あんなプロローグを書いた理由です。もちろん、そんな背景を知らない読者に、いきなりあんな話を提示しても訳わからないでしょうし、そんな作者のオ〇ニーを見せられても困るというのはその通りです。ひとえに作者の経験不足、実力不足でありますし、「読んで無駄な時間を過ごした、嫌な気分になった」という読者の方にはお詫びいたします。一方で、ここまでお付き合いいただいた読者の方には、きちんと真意を説明したいと思い、こうして長文をグダグダ書かせていただきました。
さてさて、今後の執筆活動ですが、「アラバインの竜王」についても、ラキウスとリアーナが西大陸で冒険を繰り広げる続編を考えてはいます。ただ、こちらはまだまだ構想段階でプロットすら出来ていない段階なので、気長にお待ちください。あ、題名だけは決めています。
「アラバインの竜王Ⅱ ~ポンコツ巫女様は騎士様を振り向かせたい~」
そちらは気長にお待ちいただくとして、それまではいくつか、中編、短編を執筆していきたいと思います。投稿しましたら、よろしければお読みいただければ幸いです。
それでは改めまして、「アラバインの竜王」にお付き合いいただき、また、長文の近況ノートをここまでお読みいただいたことに感謝申し上げます。