こんにちは、つるです。
週末には文学フリマ東京を控え、それと公募作の改稿が大詰めで如何にもこうにもそれ以外のことに頭が集中できず、戯れに近況ノートなど書きます。珍しくノープランで。
が、ノープランと言いながら題名が付いているということは、そのことについて書きたいわけで。
まず、前も書いたとおり公募作品について。
6月締め切りの某賞に出すのですが、これ、前年度の受賞者の方がお知り合いなんですよ。それに発奮され、ひたすらかつてないほどの死力を尽くして「一生に一回はこのテーマで書くんだ」って心に決めていたテーマで一作書き上げたんですが、なんとまあ書き上げると「こんなもんか?」と「いや、イケてるかも」の間で揺れ動くものでして。日々読み返しては悶々してます。そして悶々しつつも「受賞したいなぁ」と思い「いや、それにしては身分不相応な賞選んじゃったな」と今度はその狭間でゆらゆら。
何にも躊躇せず書きたいことを書いた満足感はあるんですが、それだけに「これが評価されんとツライぜー」というね。そんなうまくいくわけないんだけど。
ああ、はよ手放して(郵送して)楽になりたい。そして来月刊行される前年度受賞作(つまりお知り合いの著書)に順当に打ちのめされたい所存です。
まあ痛手を負うにしても、発表は秋なのでそれまでには持ち直すでしょう。いや、持ち直すといいね。
ちなみに内容はこれでもか、ってほどに「人間」を深掘りしたつもりです。ある一点から。その「一点」がセンシティブ要素てんこ盛りなので、もう下読みさんが「あーこれ合わないわー」と思ったらおしまい。つまりものすごく人を選ぶ話。それでもこれで勝負したいわたしってなんなんでしょうね。あー。
次に『ディ・ア〜』にいただいたレビューについて。
もう完結から2年以上経つこちらですが、同人誌にした効果なのか、なんなのか、どこからともなく読んでくださる方がいて、しかもここ何個かのレビューはどれも身に余る内容で、恐縮しつつ嬉し泣きしています。ありがとうございます。
自分の初めての長編で、思い入れだけはあれど、某所に持ち込みしてもけんもほろろでしたし、カクヨムさんの公開講評ではけっこう容赦なくやられ(ありがたいことだと思ってます)「正直他の人からしたらどーなの」と思っているだけに、書きたかったことが通じた、ってことが分かるレビューが頂けると、もう涙ちょちょ切れます。
人間が書きたいんですよ。
それでいてエンタメでありたいんですよ。
この作品だけでなく、いつもその狭間で苦悩してますから。今連載してる『寄る辺なきエトランゼ』だってそう。まさに。
だからそれが両立してるってお言葉や、人間が書けているってお言葉いただけてると「ああ、自分、まだ書いてていいんだ」って思えます。大げさでなく。そこを追求していくスタイルを貫いていいんだって。
もうすぐ受賞から1年になりますが『宮廷画家と征服王』で、角川武蔵野文学賞ライトノベル部門大賞を頂いたときも、「ライトノベルでもこういう重厚さはありなんだ」と背中を押してもらえたものですが、それと同等、いやそれ以上の勇気を近頃また、みなさんからいただいてる気がします。
ありがとうございます。
本当に。
近頃、昨年(これも前に書きましたが)タテスクコミックの原作を頼まれて奮闘した挙句ダメで、その時の編集さんの慰めの言葉が「結局、スナックカルチャーだから」だったのを思い出します。
それを思い返すたびに、それが悪いとは言わないけど、わたしが書きたいのは「スナックカルチャー」ではない、と思い直します。
わたしは消費されるにしても、読んだ人の血肉になり得るようなエンタメが書きたいのです。
……まあ、まずはなんにせよ佳境の『寄る辺なきエトランゼ』を書き上げないと、なんですが、今日ここにこう書けたってことは、本当に迷いながら揺れながら時に不貞腐れながらも、執筆はじめてもうすぐ3年なりに、いろんな「覚悟」が決まってきたのかな。
そんなふうに思います。
どうぞこれからもよろしくお願いします。
画像は昨年秋の文学フリマでお客さまから『ディ・ア・レ・スト』のイメージなんです、と手渡されたクッキー缶。
ずっと机に飾っていて、でも賞味期限がきちゃうんで、先月いただきました。とても美味しかったです。
缶は今も飾ってあります。
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