内見のときに気づけば良かったのですが、私の住んでるアパートはめちゃめちゃセミが死にに来ます。
8月は毎日。20時くらいになると共用廊下の照明に集まってくるんですよ。全部同じ種類のセミ。それがドアや壁にくっついて鳴くんです。鳴くなよ。夜だぞ。パリピか。ヒグラシに謝れ。
ドアに振動が伝わって臨場感が凄いんです。嫌すぎて泣ける。静かになると「死んだな」ってわかるのも嫌。いのちィ……。
朝になると、こと切れた奴らが共用廊下の前にぽとりと落ちています。廊下全体に5匹以上転がっていることもしばしば。玄関開けて階段を降りるまでが、もはやイライラ棒ゲーム。ただのゴミ出しでさえ猛烈な苦行です。
しかし私はセミが爆弾の如く足元でジリジリするくらいなら、何もない廊下でずっと電流流されながら歩くほうが良い。むしろ流して。私に電流を流して許して。
私は本当に虫が怖くて画像検索などはまったく出来ないんですが、知人に奴らの特徴を口頭で伝えたところ、どうやらアブラゼミらしいです。
管理会社による清掃は盆休みのためか少なく、炎天下の中を何日も転がっているセミ。たまに猫ちゃんがお掃除しに来てくれるのが救いです。
まあ、たまたま出くわしたときはちょっとイヤですけど。あんた今、セミ食ってたよね?って。昔飼ってた犬がウンチを食べたあと甘えて顔を舐めてきたときの、懐かしい気持ちが蘇ります。正直、私からすればウンチ食った犬の口のほうがだいぶマシ。
去年は運良く、春先にうちの前の電球が切れました。もちろん私はしめしめ!と黙っていたのですが、半年後、秋頃に照明が取り替えられてしまいまして。
大家さんも良かれと思ったんでしょう。
超・パワーアップしました。すっごい明るい。すっごい眩しい。遠くからでも「我が家だなぁ」ってわかる。そんですっごい蛾とかカメムシとか寄ってくる。
梅雨が明ければ夏が来ます。セミが生まれます。生まれくるセミが、なぜか死地に選びがちな私のアパート。毎年大人気ですが、こんなに明るくなったらセミ界の口コミでも星5獲得間違いなし。大大大爆死しそう、私の精神が。
遂に管理会社へ連絡し、夏の間だけ照明を外してもらえることになりました。
安心して、ちょっと泣いたよね。ほんと。泣くわ。
生きのびて、夏。
さて、病院行ってきます。