@tsukishiro914

南宋皇帝高宗の生母、宣和皇太后は眼病を患い両目を失明した。治療のため呼ばれた道士は、原因が心因性と推測し、過去の憂悶を語るよう促す。皇太后は靖康の変から紹興の和議までの過酷な虜囚…

隣国コンパーニョの港湾で大発生したというワカメ。海藻料理を食べたいという姫の願いで、料理人ラウルが招聘されることとなったが―― KAC2024・8回目お題「めがね」参加作です。…

その日王宮の晩餐には、鱈《たら》のトマト煮込みと共に赤ワインが供された。 しかしそこへ至るまでには、料理長ラウルと毒見役レナートのひそかな苦労があった…… KAC2024・7回…

民間上がりの宮廷料理長、ラウル。 彼が登用された折、店は解散となった。だが今、店の名を継ぎたいというかつての店員が、ラウルの前に現れた―― KAC2024・5回目お題「はなさな…

一夜で傘が黒く溶け落ちる、儚き珍味の茸「ササクレヒトヨタケ」。 王太子に同行し旅先で調理するよう、宮廷料理人ラウルは命を受ける。だが今回、毒見人レナートは随行しないという―― …

王国近海に現れた海魔クラーケン。 軍が退治に向かおうとする中、王太子妃がぼそりとつぶやいた。 「クラーケンって、食べたらどんな味がするのでしょうね」 その一言で、討伐部隊に同…

「神の料理人」とは、食した者に魔力を与える皿の作り手。 霊山で隠遁していた料理人は、突如かつて仕えた王の末子に踏み込まれる。 長い遁世の間に、国は内乱に陥っていた。 王子は料理…