https://kakuyomu.jp/my/works/16817330650334197034/episodes/16817330651112087842 前回の馨くんの企みで作られた大蔵省は本当に巨大な官庁でした。現在の財務省の他に法務省・総務省・国土交通省・通産農務・厚生労働省の一部を取り込んでいました。これにより、馨くんは大蔵省の意向のみで国を動かそうとしていたのです。この時代の大蔵省を「大大蔵省」と呼ぶこともあります。次官の立場で国を動かす姿を五代友厚は平清盛と重ねたのか、馨くんを「今清盛」と言って、警戒しています。
本来は話し合いをして意見の一致を図るのが最善だということは、当然わかっていたようです。しかし、木戸孝允の右腕と言われる馨くんは、廃藩置県の時に木戸・大久保の調整や、あちこちに起る異論に対応するのに疲れちゃったのかもしれません。明治夫婦との異名を持つ大久保・木戸の関係は、政策の違いと感情のもつれも入り込んで、重要であるが上に面倒だったのかもしれないです。
ただ、この「大大蔵省」が大久保利通の内務省の元だと考えると、大久保利通・井上馨が手を組めていたらどうだったのかなと思うところがあります。