週末に短編を一編書いてみました。上海を舞台にした大人のラブストーリーのようなものです。深夜のAMラジオから流れる朗読を聴いているような雰囲気を感じていただれば、なんて思いながら書いてみました。
そして今回、短編を書く楽しさというものを実感しました。とにかく、最後の一文、締めの一文がうまく決まるとちょっとした快感を感じます。これはクセになりますね。これからも機会を見つけて掌編、短編も書いてみようと思います。
さて、今回の作品のタイトルである「甜言蜜語」は日本語の四字熟語にもなっているようですが、あまり目にすることのない言葉だと思います。こうして字面を眺めてると「蜜」という字に妙な妖しさを感じてしまうのは私だけでしょうか。日本語の慣用句でも「○○は蜜の味」という使い方をされますが、あまりよい意味ではない気がしています。なので、この四字熟語を知ったときも、どことなく皮肉や含みが込められているような気がしたものでした。そして今回短編を書いてみようと考えたとき、真っ先に思い浮かんだこの「甜言蜜語」という言葉で、これをうまく料理してみようとチャレンジした次第です。
前述の通り、本編の舞台は上海です。とは言え上海の街並みや名所などが登場するわけではありません。ほとんどが夜のカラオケクラブの中での出来事です。そのためセリフで異国感を出してみようと考えました。日本語のたどたどしさや端々に織り交ぜる中国語、ルビについても発音のままにしたり日本語訳にしてみたり。もうずいぶんと前になりますが、仕事で上海に赴いていた経験を思い出しながらあのころの雑然とした熱気を表現できたらな、と思いつつ書いてみました。
ああ、なんだか久しぶりに上海に行きたくなってきました。