現在カクヨムに投稿している偽装結婚をテーマにした現代ドラマがもうじき終わる。
次に書こうと準備しているのが異世界ファンタジーなんだけど、これがもう、泣きたい位、笑いたい位大変だ。
異世界ものは、中世ヨーロッパ風の、ドラゴンとか出てくる世界が主流だと思うんだけど、ワタクシが挑戦しようとしているのは20世紀初頭の東南アジア風な世界観の舞台。参考になる作品が少ないんですよね……。中華風ファンタジーなんかはかなり増えてきてるんだけど、それ以外のアジアンファンタジーはまだまだ少ない。というわけで参考にしているのがタイやビルマやラオスなんかの作家の文学作品なんです。虫食シーンなんか出てくるわけです。「おーこれはいい!」と思って虫食シーンを書こうとしても、実際見てないからリアルに描けないんです。
異世界ファンタジーは、細部がしっかり書き込まれて読んでるうちにその世界にどっぷり浸らせてくれる作品が好きなんだけど、それ、実際に書こうとしたら、もう気が遠くなるほど大変です。
構想では、アジェンナという東南アジアっぽい国がカサン帝国という中華風の国の植民地支配下に置かれてます。カサン帝国からアジェンナの僻村に派遣された女教師が、現地で差別を受けている妖怪遣いの子供12人にカサン語教育をするという、「二十四の瞳」風の話です。てなわけで、アジェンナとカサンという、二つの毛色の違った国の体制、文化、風俗、言語などを作んなきゃなりません。カサン帝国と対立するピッポニアっていう西洋風の国も出てくるんで、3つ作んなきゃいけないわけです。
どうしてみんな異世界ファンタジーをあんなにサクサク書けるんだろう?細部はとりあえず置いといて、とにかく書いちゃえ! とも思うんだけど、「少年は勉強しようと机を前にし明かりを灯し……」と書いた所で「彼が使っているのは鉛筆? ペン? 明かりってろうそく? ランプ?それとも植物の油とか?」という疑問が次々沸いてきて、そこでもう止まってしまう。どうせ空想の世界なんだから、適当に作っちゃいのかもしれない。けれども現代ドラマなら特に考え込む事も無く食事シーンなんかでも、ファンタジーなら登場人物の一挙手一挙動ことに「えーどうしよう……」と考えなきゃいけない。そして虚構であっても読み手に違和感を抱かせず、すんなり入って行けるような世界を構築しなきゃいけない。
最近は、作家やゲームクリエイター向けに異世界構築マニュアルみたいな本も出ているんだけど、だいたいヨーロッパなんですね。だからワタクシはもうひたすら地理の本や旅行の本や文学作品を読んで勉強するしかないのです。そのうち「植民地支配って何ぞや」みたいな疑問も出て来て、歴史の本も読み……。はあ~、もう、ほんと、いつ小説が書けるんだか。「ビルマでは男もしゃがんでおしっこする」とかいう雑学ばかりが増えていく日々なのである。