鳥尾巻

お祖父ちゃんの営む古書店。私はそこでお手伝いをしてる。 その日、古びた引き戸を開けて入って来たのは、同じクラスの男の子だった。 お祖父ちゃんとは話が合うみたいだけど、私にとっては…

古書店を営む祖父の手伝いをする私。 古い紙の匂いは嫌いじゃないけど、苦手なアレもいる。 ロマンチストなお祖父ちゃんはそれを素敵なものだというけれど……。 KAC2023用連作短…

方倉綾人少年は、入学した高校のクラスに馴染めず、学校の裏庭の蓮池のほとりでぼんやりしていた。 鳴り始めた耳鳴りを掻き消すように歌い出す綾人。 想像の中では自由に演奏出来る。指先は…

香水をテーマにした短編集。 紀元前から宗教的な用途や薬用として使われていた香り。 近代以降、楽しみや嗜みとしての香水が生まれた。 薔薇、茉莉花、没薬、シトラス、ムスク、シベット…

伝説のインディーズバンド「ドット虚無（コム）」の解散から2年―――バンドの大ファンだった上条海鈴は、抜け殻と化していた。 大学を出て社畜生活3年目、この世は苦海浄土、金なし・色…

少女は走った。 不毛の大地を。 少女は叫んだ。 誰かに愛されたいと。 荒廃した（心象）風景の中で出会ったアンドロイド少年と心を交わす物語。 多分。 ※別サイト自主企画参加作品…

勇敢なドロシー、可愛くて賢いトト、臆病なライオン、空っぽな案山子男、心のないブリキ男。 お馴染みオズの魔法使いのパロディ。 セクハラされた挙句左遷された女騎士ドロシーがオズの国…

洗髪をしている時感じる気配。 誰もいないはずの部屋をよぎる影。 扉の隙間から覗く暗闇。 不可思議で愛らしい怪異との生活。

ある朝、アダム・アンダーソンが体の痛みで目を覚ますと、自分がベッドの中で何か違う生き物になっていることを発見した。 だからと言って何が起こるわけでもない。（いまのところ）

願いを叶えるにじいろの珠。 いつかあなたに会えますように。

とある酒場の一幕。 2人の好みはピッタリ、息もピッタリ。 似た者同士の奇跡的な出会い。 それを見守りつつ巻き込まれないように、のらりくらりと逃げる「私」の物語。

あなたの物語を紡ぐ糸車と世界を織る機織り機のおはなし。

花の蜜を吸う幼馴染み。 その理由を尋ねるぼくに彼女が言った言葉は…？

何度愛を告げても決して報われない恋の物語。

四月一日と書いて『わたぬき』と読む。 エイプリルフールにまつわるお話。 以前noteに載せたエッセイを小説にしました。

七つ下がりの雨。 午後四時過ぎに降り出す長く降り続く雨。 いつまでも終わらないものの例え。

彼女は彼を見ていた。 僕は彼女を見ていた。 彼は…。 僕らの視線が交わる事はなかったのに。 微妙な三人のお話。

誘いに誘われる全方位モテモテの高校生のお話。 でも絶対逝かない。