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2022.07「それでも僕らは罪人のまま」あとがき

 今月、ウェブ小説「それでも僕らは罪人のまま」が完結しました。
 全33話、130,582文字の長編です。

 一回はカクヨムでウェブ小説を連載してみたいなと思っていたので、早めに仕上げられたこの作品を連載することにしました。
 改めまして、5月15日から初めて連載終了まで7月13日まで、長い間ありがとうございました。

 最初は最後までやりきれるが不安でしたが、定期的に読んでくださっている方や応援してくださった方の存在を支えにやりきることができました。ウェブ媒体はいつでも読める分、興味を持ってくれた人が自分の時間を使ってくれるものなので、PV数の増加は精神的な支えになりました。本当にありがとうございます。



 今回の物語は、私が大学生の頃に書いた「ルペシュール」という長編を、今の自分なりに書き直した作品です。
 子供や弱者が酷い目に遭う、汚い大人か犯罪者しか出てこないし、子供が手を汚すシーンあり、流血・暴力ありきで、とにかく普段とは正反対のことをやろうと思いました。
 イギリスの産業革命期のような町が舞台ですが、舞台は参考程度に留めていて、わりと好き勝手に書いています。実際の産業革命期とは違うところもあると思いますが、そこは、魔法や聖剣が存在するファンタジーということで、気にしないでいただけるとありがたいです。

 今回は「大人と子供、犯罪、自由と束縛、正義と悪、強さと弱さ」などをテーマとして盛り込んでいます。
 立場も力も心も弱く、犯罪に手を染めてしまった子供。そこにしか拠りどころがなく、そこでしか自分自身になれなかった子供たちが主人公です。ただ、犯罪は絶対ダメです。本作には犯罪を賛美するような意図は一切ありません。
 取り返しのつかない罪を犯している子供もいて、しかも最終話では彼らの過去の罪は裁かれずに生きることになっています。この結末が許せない人がいるのかもしれませんが、彼らは裁かれないからこそ、自分の犯した罪と罪悪感とずっと一緒に生きるのだと思います。

 元々はメンバーが七人だったのですが、一本の長編を本としてまとめる際に色々削らないといけなかったので、役割が被っていたアサシンと騎士を削って五人になりました。
 この五人と、プラスでロビンの話を書くのがとても楽しかったので、外伝という形でまた別の話を書いても面白そうだなと考えています。終章の途中で、「列車の旅中に急行列車殺人事件が起こり、今度はルペシュールとロビンが共闘」みたいなのも面白そうです。列車で起こる事件はロマンの塊ですね。

 書いているうちに、メインの六人にものすごく愛着が湧きました。メンバーたちのやり取り含め、セリフを書くのがものすごく楽しかったです。



 この物語は9月に刊行物として頒布予定ですが、ウェブ連載した分はカクヨムに残しておこうと思います。
 今からでもお読みいただければ嬉しいです。

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