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【雑記・キャラ語り】クロ編【くすんだ銀の英雄譚】


 久方ぶりのキャラ語りです(挨拶

 記憶を頼りに書き起こしているので適当なことを言っているところもあるかもしれませんが、おおむねこんな感じです。今回は長めです。

 そんなことやってる場合じゃなかろうというのはまったくごもっともなのですが、たまにこういうことをやりたくなってしまうのです。どうか許してください。

 では、そういうことで!

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【クロ】
・コンセプトは「本作のメインヒロイン」。
 役割も「メインヒロイン」。

 メインヒロインだったんですよこの子。少なくとも、当初は――この話を考え始めた頃のほんとうに最初の方は。間違いなく。
 今は……ちょっと、何とも言い難いアレなんですが。


・主人公を物語へ導く導き手であり、主人公の旅を支える「傍らに寄り添う存在」であり、主人公の知り得ない知識を有する「賢者」であり、私の大好物である「人のようであって人でない少女」!!!
 ヒューッ! 見てみろよこいつを、完璧なヒロインだぜー!! というくらいのやつではないでしょうか。そういうやつなんだよ。私的にはそうなんだよ。

 初登場が裸だったのも、言うなればラノベヒロインのお約束というやつです。一昔前のラノベヒロインは開始何ページで主人公に肌を見られるかを競い合うように裸を見られていた時期があったというかそうした終わりなき争いの歴史があったのです(※ド偏見
 さすがに当世、昨今はそういうのも落ち着いて久しい感じのやつだと思うのですが、そうしたコンプラ意識の高い令和の時節に、空気を読まずヒロインを剥きました。

 ……だったんですが、まあ、いろいろあって上述した複数の要素が宙に浮いたり現時点で別のキャラに振られていたりと、現状においてなかなか立ち位置の確立に困る子になってしまった感がないでもなく。
 目下、その補填のためアレコレ頑張っていたりするのが現状です。


・性癖を詰めて作ったという意味では、先行作品だとユイリィやメルリィあたりに比肩するレベルで私の中のヒロインポイントが高い子なのはずなんですが、登場する時系列をどうあってもずらせなかったせいで現状のように相成りました。

 何がって、こう、登場が遅い👺


・物語上の役割は上述のとおり、主人公が持たない知識を与えて旅を導く「賢者」であり、また主人公を冒険の世界へといざない、最終的には主人公の活躍によってその物語に幕を引く「(物語上の)ヒロイン」。

 ――だったのですが、諸々の事情を経て登場がだいぶん後になったせいで(思えば、カクヨムコン9の選考期間中に至っては影も形もありませんでしたねこの子)、冒険の世界へ主人公をいざなうのはユーグやドルセン、ヒロインという観点から無理矢理女性キャラ持ってくるとしても、冒険へ送り出すというニュアンスでミレイナあたりの役割になってるみたいな感じですし(物語のざっくりした全容を持っている書き手の側からだと「そうでもない」と思うのですが、現状開かれている札を見渡すとそういう印象になるんじゃなかろかと思います)、主人公に寄り添うパートナーという意味ではフィオレが先に合流したし(――とはいえ、こっちはこっちで早めに合流してもらえないと、フィオレはフィオレで立ち位置の確保に困る子なので。ここは合流してもらわないと困るやつなのですが)で。

 結局、エピソード上の役割――というか、「賢者」としての役割が当初想定していた比重をはるかに上回って大きくなってしまっている子ではないかなぁ、と。

 もともとそういう子ではあったのですが、ヒロインらしい立ち回りに困るやつですね。
 ちゃんとヒロインできているのか?

 ともあれ、今後さらに個別のエピソードを追加してゆければ、変わるかもしれませんが。
 当面のところはどうにもその辺が不安の種です。はい。


・メインヒロインの予定だっただけあって、キャラクターとして真っ当に形成した時期がシドと並んで早く、とどのつまり「おっさん冒険者による成り上がりセカンドライフ」の基本路線を立てた最初期の段階で、主人公が挑むダンジョンの中で出会う「宝物としてのヒロイン」として設定されたのが彼女です。
 今のところ成り上がる気配がカケラもない気がしなくもありませんが、少なくとも最初期の頃は成り上がりセカンドライフを想定していましたし、最終的にはそういうところへ落着するといいなぁと思いつつ書き進めています。ほんとです。

 何が言いたいかと言いますと、押しも押されもせぬメインヒロインでした。当時は(※重要


・もうだいぶん記憶があやふやなのですが、当初のコンセプトとしては、「うだつの上がらないおっさん冒険者だけど実力は本物の俺、前人未踏のダンジョンを無双して、遺跡の中で出会った謎の女の子になぜかもてもてになってしまうぜ?」みたいなのを、ざっくりしたベースに考えていたような覚えがあります。その頃は。
 タイトルすら決まっていなかったし、オルランドやら何やらの設定に至ってはその素材すら存在しなかった頃のことです。

 ……ダンジョンで無双してねえし、ハーレムもねえな。
 そもそも男の方が比率高いな現状。コンセプトはどこに行ったのん。


・セルフツッコミは置いておきまして。
 実のところ、こう……無双環境ともてもてハーレムを築く労力とコストを払ったうえで「物語を構築する」ところまでいきつけず、結局足りない部分に自分の趣味をねじ込んでいった結果が現状なんではないかなと…ヒロインはもっと増やしてもよかった気はしてますが。

 まあ、もてもてといっても当時形になっていたヒロインはメインヒロイン想定のこいつ(当時は名前未決)だけでしたし、セカンド以降のヒロインに《真人》種族を次々出したところで「いにしえの種族」という存在の程度が軽くなって個々のヒロインの印象が(属性被りのせいで)薄くなるだけだなぁという予感があり、他方、格の上で落ちるヒロインをごちゃごちゃ増やしたところでとてもではないですが面白くなるという感覚が得られず、かくてセカンド以降のヒロインがさっぱり固まらなかったという、なかなかに行き詰った感じの頃でした。


・当時はシドも今に比べるとちょっとひねたところがあったというか、おひとよしというのはそのままに、もうちょっとくらい屈折したところがあったような覚えがあります。本当におはなしづくりの初期の初期ごろの話です。
 漠然としたイメージではなく、本格的に骨子を固める段階に至ったところでそうした「ひねた」要素は削ぎ落され、紆余曲折経た末に現状はだいぶんゆるいおじさんになったなぁと思っています。

 他方、クロは当時の想定から若干ひねた子になったなぁという感覚があります。
 もっと純真無垢というか、「純真無垢が過ぎて却ってエロい」みたいな子にしたかったんですが、まあ私の腕では無理だったみたいです。精進せねばいけません。


・確かこの頃は、彼女を巡った争奪戦や、長い眠りを経て目覚めた女の子と――眠りにつく前とはだいぶん様相が違うけれど、それでもひとの生きる街だから似通ったところもある――現代の街でデートみたいな街歩きをする、「甘酸っぱい疑似デート」みたいな展開も考えていた気がします。
 といっても、これらは最初期にキャラの塩梅を見るためのエチュード的なやつで、最終的に物語として組み込むかどうかはふわっとしたやつでしたけれど。


・ベースの設定として、《真人》種族のどれかにしよう、というのは当初からありました。
 謎と浪漫溢れるいにしえの古代種族少女というのは、ヒロインの看板として結構有効なんじゃないかと思った次第です。
 本作が初見の方には、「《真人》ってなんやねん」とか、「なんか急に出てきたなぁこの要素」みたいな感想を抱かれてなかったかが怖いやつでした。はい。先行作品でちょいちょい触れてたやつでした。

 導線としては、拙作より「《機甲少女》といっしょ!」でハルアを書いたのが念頭にあり、そこから「今度はメインヒロインとして《真人》種族を持ってこよう!」という発想に至ったと記憶しています。

 で、問題としてどれを使うかということになったのですが。

・天種(セライア)…設定的に『絶対に』使えないやつ(だと、少なくとも当時は考えていた)。
・王種(ルーラー)…ハルアとかぶるからNG。
・貴種(ノーブル)…設定的にいまいちパンチが足りないから保留。というか出すなら他のキャラで使いたい予定あるし。本当に使うかわかりませんけれども
・獣種(ビースト)…これも設定的にちょっと。使うなら他の話で使いたい。
・龍種(リヴァイアサン)…ありかも。竜娘ってことでいいかも。設定的にこいつはおいしい。
・翼種(セイレン)…これも一応、使えないことはないんですが。メインに使うにはやっぱりパンチが弱い気がする。
・宝種(オーブ)…今のところ、今後に設定として引用されうる可能性がひとつもないし。設定的にもおいしく使えるし、これでいくか!

 ――以上の経緯でヒロインは《宝種(オーブ)》に決定。

 設定としてもともと存在した、「外観上、宝石化している」というのがヒロイン的においしいな! 美しくていいな!! というのもあって、この時点で登場時の状況設定がおおよそ確定しました。性癖が歪んでいるなぁ!!!

 主人公=シドが呪いを解くことで蘇る、「主人公がいなければ生きていられなかった」ヒロイン!
 うむ、これはおいしい。主人公とヒロインのわかりやすく印象的な出会いになるし、ビジュアル的にも美しくおいしいぞ――と。

 そうした形で、自分を解放してくれた命の恩人でもある主人公に懐き、慕うようになる――うんうんかわいいぞ、実においしいぞ……!

 ――っしゃあ、完璧なメインヒロインじゃあ!! こいつはもろたで工藤!!!

 …みたいな塩梅でヒャッハーしてた気がします。当時は。


・余談ながら、《真人》種族が受けた呪いの詳細、設定はぜんぶあります。

 とはいえ、《宝種》の呪いに関してはいざやってみると開陳に当たって「だいぶん説明の面倒くさいやつだったな」――という感想が自分の中に出てきてしまい、たぶん同じくらいのレベルで説明がめんどくさい他の連中の設定開陳があらためて大変そうだなぁと一人で途方に暮れているところがないでもありません。
 あの辺ってどうだったでしょうか。実際のところ…。


・クロの基本的なビジュアルのイメージ、年齢ないし年頃の設定は、設定当初からさほど変わっていません。
 「主人公の手で封印の長き眠りから目覚めた、穢れなき清らな美少女」というイメージをベースに組んだのを、そのまま引きずっている感じです。いざ本格的に書きだしてみたら清らというにはだいぶん俗っぽくなった気がしますが、まあ、あの立ち位置ですからそんなもんでしょう。

 余談ながら。
 「艦隊これくしょん」でみぃむちゃんこと「伊36」が着任して、だいたいのキャラクターが分かってきた頃になって、ふと「これだ! 俺が欲しかったものはこれだったんだ!!」という気付きを得て頭を抱えたことがありました。でも、あのキャラクターのニュアンスは小説だと本気で表現が難しい気がするんですよねぇ…


・ともあれ。
 そういった経緯で、少女と幼女の間くらいの、描写としても「今より花開く芽吹きかけの蕾」みたいな形容をされる年頃の子ということとなり、現状、シドから見た際の「恋愛対象としてのヒロイン」には使いづらい子となっています。

 いえその、最初期にあれこれ設定やら何やらこねじねしていた頃は、この子をシドが育てていずれくっつきそうな感じの「若紫」的な展開も候補になくはなかったのですが。
 後々になってシドの性格や周辺設定が固まり、キャラが定まった頃には――前にもこんな言及した気がしますが――「こいつが光源氏やるのはえぐみがきっついというか、ノイズだよなぁ…」という感覚が出てきてしまい。
 シドのキャラ構成でそうしたことをやらせるつもりがなくなったので、今のところそうした対象からは外れ気味です。

 「物語の主人公」がロリコンだとしてもそんなのは作品別での好き好き、どう定めてもいいことだとは思うのですが、しかし今回の場合シドの物語開始当初の周辺設定を加味すると、こいつがロリコンなのは整合性を持たせるうえでいろいろ困るな……と。
 基本的に、シド周辺に関してはノイズを減らす方向で設定を固める方針に舵を切っており、クロは(登場が遅いこともあり)その煽りを受けた格好になります。


・余談ながら。
 作劇的に今のところ一番ヒロインっぽいと思うフィオレですら、「実年齢はシドより上」というエクスキューズをコミでギリギリか、ギリギリやっぱりダメってくらいのバランスだと感じていて、この辺はこう、フィオレの描写が「少女」に寄っていったせいもあるんですけれど。
 そんなこんなで、この話は恋愛的なアレが本当に、こう……どうしましょうね……

 ただ、今の時点だとフィオレあたりにもっと頑張ってもらわないと、恋愛方面はほんとに現状ねじこみようがない。


・とはいえ落ち着いて思い返してみると「恋愛」が物語にきちんと挿入されてるの、拙作の中だと「魔女の花嫁」くらいしかないんじゃないかという気はしています。
 これまでの主人公どもにしたところでランディは8歳だし本格的な恋愛なんて早いにも程があるし、ウォルフは向こうから寄ってくる女がことごとく問題だらけで正しく「女難」の気配があるしで、恋愛の物語に食い込める主人公がろくにいないというアレです。幼馴染相手にいちゃいちゃ両片思いしてたフリスとシオンは、そういう意味でかなり外れ値にいたキャラであるなぁと思います。
 「フィギュア」のアンズガルムやエステルは……恋愛枠というよりは、たぶん、面白ラブコメ枠と言うか……

 いちゃいちゃした感じのは好きだし、私は頭の作りが基本カプ厨のきらいがあるので、またいちゃいちゃした感じの恋愛も書きたいですね。
 「魔女嫁」の続きもどっかのタイミングで書きたいな…。


・名前に関して。
 フルネームとして用意した、

 クロロバナージアレキサイオラゴーシェクロラルミナシリカシェリアルミニティタニアジェイドヴォーキコランジオーダメトリンコーパルエルパリドットイトルマヴェルデラクロローム=ベリル=エメロード

 ――というのは、異種族っぽい異物感を出したくてつけたもの。
 鉱石や宝石の名前をデタラメに繋ぎました。

 宝石としてエメラルドに相当する子であることは念頭にあったので、「クロロバナージ」まではエメラルドのドーパントであるというクロムとバナジウムからもじってつけました。
 「ベリル=エメロード」は、エメラルドがベリルの一種であることから「ベリル」と、あとは「エメラルド」の読みを崩して「エメロード」としたのを繋いだもの。

 設定的には、「メインとなる宝石以外に、名前に含まれる宝石や鉱物が血統(混合物?)として先祖の代に混入している」ということにしています。
 父親の名前を「バナージ」としたのはそこ由来で、そこは直近の尊属の名前からということに落ち着けました。
 我ながらツッコミどころの多い設定だとは思うので、ふわっと承知いただけますとありがたいです。

 母親の名前は「アレキ」ないし「アレキサンドラ」かなぁとぼんやり考えていたのですが、クロの名前でクロムやバナジウムみたいなドーパント――というより、元素が名前の先頭に来ているってことは、お母さんは鉄とかクロム由来の名前なんかなぁという気がしています。
 たぶん、こちらはクロの名前には入ってないのかなと。
 で、末尾の名字? が「クリソベリル=アレキサンドライト」とか?
 今更ですが、呼称のバリエーションがものすごく少なそうな種族ですね、これ。

 クロ以外登場させる予定がないからいいんですけど。別に…。

 余談ながら「クロロバナージ」より後は、確かアレキサンドライト、アイオライト、ゴーシェナイトあたりを続けて読めるように削って足していった音節だったはずで、以降もおおむねそんな塩梅。


・一人称の「クー」は、スッと抜ける一音節の名前(※愛称)を一人称にしてたらかわいいんじゃないかな? という安直なアレからつけたやつ。
 「クロム」から取って「クー」が可愛いかなという安直な感じで持ってきて、それじゃあ作中の呼称もこれにしようかな――と思っていたのですが。

 ここに至って、表記が違うだけで音が同じ名前のキャラが既に先行作品にいたのに思い至り、この案は頓挫。とはいえ自分を「クー」呼びするかわいさは捨てるに惜しく、他に代案もなかったので(単純に、他と一人称を変えたかったというのもありました)、「じゃあ作中の呼称だけ変えるか」ということで最終的に「クロ」で確定。

 本決まり前は、一時的に「クロエ」で仮置きしていた頃もありました。フルネームを決めるより前の話です。これは確か、「クロエ・フォン・アインツベルン」から。

 登場直前の段階では、フルネームから先頭三文字を取る形で「クロロ」というのも候補にありましたが、「なんかケロロ軍曹みたいだな…」と思ってしまい、結局こちらは没。

 実のところ、名前がちゃんと確定したのが登場直前くらいでした。
 これはメインヒロイン予定だからと妙に思い入れて「ヒロインらしく!」などと気合を入れてしまったせいなのですが、紆余曲折にも程がある。


・スプリガンに関して。
 当初の設定だと出てくる予定はまったくなかったのですが、本編の流れを考えている間に出てくることになりました。

 その場の流れと思い付きでエピソードやキャラクターを増やしているうちに《軌道猟兵団》やラズカイエンが本編へ本格的に絡む運びとなり、それを踏まえた『宝物のガーディアン』としての登場でした。
 実のところ、『おむこさん』やらその辺りの設定まわりは、すべて実際に書く段になって詳細を詰める中でなんとなく増設されていったものでした。前述したラズカイエンやら《軌道猟兵団》やらと同じで、本来なら登場する予定がなかったというか…なので、書いてるうちに増えたキャラクターです。

 もともと、《宝種(オーブ)》とスプリガンがセットというのは「機甲少女」ではじめて《真人》まわりの設定を深堀りした時に他の真人種族のそれと合わせて決めていたのですが、あの中で「両者がどういう関係性の存在であるか」が明確になっていたのは、《貴種(ノーブル)》とバルトアンデルスだけでした。

 あの天井画自体、「機甲少女」作中で話に絡んでくることとなる「バルトアンデルス」の存在に予め言及し、後でその存在を引っ張り出すための最初のフックであり、真人とそれに照応する象徴的な幻獣が云々という設定も、話の流れの中で無理なく「バルトアンデルス」の存在に触れるために用意しただけの前フリでした。
 もちろん前振りであろうとなんであろうと、設定として積む以上は、なるべく詰めて作ろうとはしていたのですが。

 いったん作った設定なのをいいことに、ここでも使おう! という発想に至り、あらためてジム・ドートレスの実家のアレとして天井画の話に言及したうえで、《宝種(オーブ)》であるクロと併せてスプリガンを本編に引っ張り出しました。

 女の子を護る巨人です。
 こういう組み合わせっていいと思うんですがどうでしょう。素敵じゃないです? 「ラピュタ」の頃からの伝統的なエモってやつではないでしょうか。


・なお、「(「機甲少女」で)トリンデン邸にあった天井画と同じもの(あるいは、同じモチーフのもの)が何でドートレス家にもあるのん?」という話に関しては、たしか本編のコメント中でも質問をいただいた覚えがありますが。

 同じ作者(二人組の画家)が描いたものだから、というのがその理由になります。

 絵を描いた「作者」ですが、過去作の中で既に登場してはいます。
 もっとも、そういう「フリ」になるシーンを書いた話は未だなく、『設定上そういうことになっている』以上の意味は、今のところまだありませんが…


・クロ個人に関する描写上のモチーフについて。実際に書き始める段にあたっては「これ」という特定のキャラを念頭に置いていたことがあまりなく、シナリオと直感に沿って動かしていた感の強い子だ――と、思っていたのですが。
 ただ、意識していたか否かに関わらず、イメージの源泉と思われるキャラクターは後から振り返ると幾つか心当たりが出てきまして。

 ひとりは、「蒼穹のファフナー」シリーズより「皆城乙姫」。立ち振る舞いのベースと言うか、「人のような人でないような」ヒロインとしての原型というか、キャラクターのベースとして本当に骨の部分に食い込んでる気がします。

 もうひとりは、電撃文庫刊「ウィザーズ・ブレイン」より「フィア」。本当に初期の頃に、出会いのシチュエーションというか、ヒロインとしての勘所みたいなのを設定するにあたって、イメージの端緒に置いていた覚えがします。

 喋りないし口調は、当初「ウマ娘 プリティダービー」の「アストンマーチャン」を念頭に置いていたはず。ただ、接種が二次創作経由のあやふやなものだったというのが響いてか、途中から「艦隊これくしょん」の「電」が若干混じるなどしつつ現在に至っています。

 というか、この子は登場から今に至るまで、喋りが微妙に安定していない気がします。
 メインヒロイン(予定)だったキャラなのに何でだよ。


・なお、クロに関してはやはり「艦隊これくしょん」より、ゆーちゃんこと潜水艦「U-511」を想起されたという感想をくださった方がいらっしゃりまして。

「もしかしたらクロって、書き手の私自身が持っている印象よりも、ずっと儚い女の子として受け止められているのでは…?」

 ――という可能性が、私的に出てきています。

 前述したとおり、割とふてぶてしい子になったのではないかな、くらいに思っていたのですが。
 どうなんでしょうね。


・《宝種》という種族そのものに関しては、「聖剣伝説 Legend of Mana」の珠魅、「宝石の国」の宝石達あたりがイメージのベース。割れませんけど。
 外観というか、印象というか、そういったイメージ的な部分のベースであって、設定に関しては実際に作中で扱うにあたって物語上で都合のよい感じの形へ詰めてゆきました。というか、現在も詰めて行っている段階です。

 たとえば「心が繋がる」設定に関しては、逸早く《キュマイラ・Ⅳ》の接近を知り警告するシーン、及び《キュマイラ・Ⅳ》打倒時に「作戦の裏付けとなる情報を提供する『賢者』」の役割を担ってもらうために増設した設定でした。

 ラスボス用の切り札としても想定していますが、果たしてそこまで辿り着けるか。
 たどり着けたとして、その頃に今の時点で想定した状況へたどり着けているか。
 あらゆることが不分明です。

5件のコメント

  • 遠野さんの近況ノートは、まとめて一つの作品にしてもいいと思うのです( ^ω^ )
  • > まめいえさん
    ありがとうございます!

    もうこの辺はもう完全な楽屋裏話というか、純然たる自己満足のためのお遊びなのですが…そんな風に言われてしまいますと、どこか適当なところで裏話っぽくまとめてもいいかなー、などと思ってしまいそうです。

    当方はお調子者なので!
  • >雅さん
    マーちゃんでした!――と言っても、ゲームからは離れてしまって久しく、二次創作やそれ以外のメディアでの摂取しかできていませんが。
    ヒシミラクル、二次創作とか見ている限りだと「普通の女の子」でカナヅチで割とずぼら、みたいな子のイメージだったので、クロはあんな感じのイメージなのか…と思いがけず唸らされているところです。

    ヒシミラクルだと思われたのって、もしかして彼女が「クーちゃん」だからでしょうか?
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