ここんとこ仕事の方が忙しかったアレです(挨拶
残業はクソ、を心の合言葉にしてなんとかやってます。残業はクソ。
ともあれそんなくさくさした話はおいておきまして、久方ぶりのキャラ語りです。
そういえばこのシリーズ、毎回若干のネタバレ含んでる気がしますが…いえ、今更ですね。ええ。
【水竜人の戦士達】
・コンセプトは「旅の障害」「いい感じにやられてくれる強敵」。
二章は舞台が船。つまるところ水辺だったので水辺っぽい何かにしようと思い、「水竜人の戦士」ということで設定を確定しました。
半魚人とかだと、ちっとばかし格が足りないかなー…というのと、できれば再生能力がありそうな敵が欲しかったので。理由は後述。
ポジションは二章のやられ役。
一章のユーグと同じ立ち位置ですが、もっと明確に「シドの強いところ」を描写するべくいい感じに無双してもらうにあたって、なんか見た感じからして強そうでかつ数を揃えられる感じの、さらに言えば後先を考えなくてもよさそうな感じの敵を用意した結果がこれ。腕とか切り落とされても再生する感じの設定はそのためのもので、そういう設定が不自然でなくできそうな感じのキャラを用意した、というところです。
・作劇としては、当初は特段書く予定がなかった「シドが怒りを露わにする場面」が出てきたりして、書いてて想定外のところがちょいちょい出てきました。これはよかったのか悪かったのか。
・一応全員に名前はついていますが、イクスリュード、ラズカイエン、プレシオーリアの三人を除くと、名前は「音があまりかぶらないように」だけ注意を払いつつ、割と思い付きでつけています。今回は明確に「異種族」感を出したかったので、舌にのせた時にシドをはじめとする周辺のキャラとは異なった感じになるといいなぁ、くらいの思惑はありましたが。
水竜人側の目線で進むパートがあったので、「この空気なら名無し扱いより名前を呼び合う方がそれっぽいなー」と思ったがために、いちいちつけてました。こうなってしまうと呼ばれないやつが不憫だなぁということで、全員分用意しました。
・イクスリュード、ラズカイエン、プレシオーリア、ヤズレン、セルディード、マグマニオ、リュージャ、バーチェクト、オレンティカ、パトロキオス、リティアーダで計11名。
一応、全員一度は名前を呼ばれているはず。
甲板側で陽動にあたっていたのが、イクスリュード、ラズカイエン、ヤズレン(真っ先に船から落とされたやつ)、マグマニオ(シドに両腕落とされたやつ)、リュージャ(二対一で退けられた槍の方)、バーチェクト(二対一で退けられた素手の方)、パトロキオス、リティアーダで八名。
別動隊として動いていたのが、プレシオーリア、セルディード、オレンティカの三名。
・「雌」と明言されたプレシオーリアを含めて雌が三人います。
竜っぽい名前にしようというのはこだわりましたが、どうでしょう。
・イクスリュードとプレシオーリアは、たしかそれぞれイクチオサウルスとプレシオサウルスから変形して作った名前だったはず。
なお、べつにこいつらの見た目があんな感じということは特にありません。念のため。
・ラズカイエン、他作品に似た音の(母音が完全に同一)キャラがいるのに後で気づき、これ名づけをしくじったかな…と思うところがあります。こういう失敗は時々やらかします。
メインの三人のうちこいつだけイメージでピンときたのをつけたのですが、他の二人みたく恐竜の名前から変形した方がよかったかな…
・イクスリュード、ラズカイエン、プレシオーリアの三人にだけ明確に役割を振っていて、
イクスリュード:隊のリーダー。育ちのいいお坊ちゃん。高潔な貴公子。
ラズカイエン:リーダーの親友。対照的に育ちがよくなさそうな荒くれ。
プレシオーリア:荒くれの恋人。清楚な女性。荒くれにとっての『弱点』。
――といった初期イメージを振っています。男2女1なら割かしありがちな構成ではないかと。
こういうセットでのキャラクター制作だと、各キャラのだいたいのイメージと立ち位置を決めておいて、あとは作中の展開で細々調整するというのをよくやります。
残りは、まあ、モブなのですが。なんか書いてるうちにキャラのイメージが出てきたのがヤズレンとマグマニオの二人で、それぞれ「隊のお調子者」と「傲岸不遜なロートル」という感じになりました。
・イクスリュードは「シュッとして格好よく」、ラズカイエンは「荒々しいパワーファイター」として。
それぞれ性格から導出する形で、武器と戦闘スタイルを決めました。
他の面々は何となくその場の思い付きで。
リュージャだけ槍使いになりましたが、これは見た目とアクションの変化を持たせたくてやりました。結果的にこいつ以外を武器持ちとして描写するタイミングがなくなりましたが、描写がなかっただけで他にも武器持ちはいた想定。
とりあえず、パトロキオスは双剣使いのイメージでした。本編で触れそこねましたが。
・「悪者」かは別として、「悪役」であることをわかりやすくするために、総じて「人間を格下のサルと侮っている」「戦士でない存在を軽んじている」という要素を性格に含めました。これは貴公子然としたキャラとして想定した(なので、最低限紳士然としてはいる――はず)イクスリュードも例外ではなく、たとえば「サティアを子供扱いしている(※端から同格の存在として見ていない)」ところがその発露としての描写です。
水竜人視点において、彼女はあくまで「おまけ」に過ぎなかったのです。
・ラズカイエンだけ残して綺麗に全滅しましたが、これは身も蓋もなく要約すると、この先特に使いどころがないからです。
もともとが使い切りの敵役だしここで全滅させてもよかったのですが、奪われた《鍵》の追跡と仲間の復讐というのは布石としてなかなかドラマチックだなぁ…ということで、復讐キャラとして使いやすそうなラズカイエンを残しました。
プレシオーリアという「恋人キャラ」をわざわざ用意したのも、このための布石。
批評概念で言うところの、「冷蔵庫の女」というやつでしょうか。どうでしょうね。
・上記の展開から逆算して、メインとなる三人の設定を固めました。補足として言及するなら、ラズカイエンみたいなのがリーダーだとなんかチームとして弱そうな、分かりやすいチンピラかませみたいな感じになってしまいそうだったため、どのみちイクスリュードに相当するキャラは必要だと見込んでいました。
・↑だと言及する順序が前後しているためアレですが。
彼らに関する設定の構築は、
①二章で襲撃者になる敵役が欲しいな!→竜人タイプの敵を出す方針で固める
②名無しの雑魚だとなんか雑魚狩りになってつまんないしドラマがないから、強いやつも出そう!→イクスリュードとラズカイエンの原型がポップアップ
③襲撃とこれに前後しての展開についておおむね素案ができた辺りで、「使い切りの悪役でもいいけど、この先の展開に絡めた方が面白いのでは?」
④先の展開へどう絡ませるかを決定。これに伴い、いまいち固まりきらず宙に浮いていた襲撃の理由が「部族の秘宝の奪還」で固まる。
ネームドとしてプレシオーリアが追加。
各キャラの(二章における)最終的な扱いもこの辺りでだいたい決まる。
――という流れで概略が固まってます。細々したところは書いてるうちに形になりました。こういうことばっかやってるとどっかで破綻しそうな気はしてます。
襲撃の動機が確定したのがほぼ最後って、あらためて振り返るとひどい雑さ加減ですねこれ。
・余談ながら。
二章において「本当にこいつを死なせていいのか?」を迷ったのは、勇敢な船員さん。半端な扱いにするとエピソードの切れが悪くなるとはいえ、善良な名無しを死なせるのは正直躊躇うやつでした。
水竜人達に関してはその点特に迷いなく片をつけられましたが、どうやれば絵面的に映える感じでやれるかなぁというのは真面目に考えたつもりです。
どうだったでしょうか。