こんにちは。
翻訳はわりあいに順調ですでに7月後半に入っているのですが、「第八十回 石勒は三台の城を奪い取る」でどーにも分からないところがあり、ちくちく調べ物をしておりました。
「萬剮軍坯可要常守得牢。若是被吾打破滿城屠戮寸草不留」
ふむ。読み下してみますかな。
軍坯を万段とせん。常の守りは牢きを得るを要すべし。是の若くしても吾が打破を被らば、満城を屠戮して寸草も留めざらん
なんか変だ。。。
坯は坏の仮借だと思う。それなら壁の意味になる。坯は山または焼いてない粘土の意だから、ちょっと使えないですね。
可要常守得牢もちょっとねえ。
牢は堅牢と同義で常守が主語と考えると、まあ一文として分離できるか。。。つーか、これ命令文として読むのがいいのかなあ。
「你可要常守得牢」で「精々守りを固めとけや」とも読めそう。
そうなると超訳は、
テメーの城なんざ木っ端微塵にしてやっから、精々守りを固めとけや。そんでも、オレの一撃で粉砕して城内皆殺しにしちゃるでよ。
。。。悪役か。
まあ、さすがに石虎にそんな発言させるわけにもいきませんから、落ち着いた先はこちら。
「如何に堅く守ろうとも、敵陣を微塵に打ち砕いてくれよう。城を陥れた暁には兵民を選ばず皆殺しにして寸草も残さぬ」
やっぱり悪役か。
しばらく放置して博雅の御示教を待ちます。
▼7回あまる
本日公開分を含めて残りは35回、9月末までに3の倍数の日は10日、さらに5回残なのでこのまま行くと10月15日で完結します。
が。
完結目標は『続三国志』の公開を開始した9月24日なので、9月も2回余ります。合わせると、7回も余りますね。ドコかで3日に1回から2日に1回にペースを上げて詰めないといけません。
やるなら8月末からかなあ。。。3日に1回公開はわりと楽にこなせますが、2日に1回はなかなか厳しいので、8月末目指しでストックをしておかないとダメだなあ。頑張るべー。
▼地震
大阪の地震の最中は近畿にいました。特に被害はなかったですが、久々に焦りました。地震コワイ。
しかし、どうしようもないんですよね。
だいたい、100年から200年周期で南海、東南海、東海あたりのトラフによる大規模地震は発生しているそうで、その度に甚大な被害が出ていたはず。
言の葉の陵
真夜中 緒
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883882735最近に読み終えたこの作品中では、648年の白鳳大地震も触れられています。地震コワイ。
しかし、暮らす足元が安定せず、いつ死が襲うやも知れぬ環境下での宗教観は、死を身近に置いたものにならざるを得ないのかも知れません。
下のレビューにも触れたのですが、民俗的に日本人は古代から死者と生者の垣根が低いように感じます。盆には死者も帰省しますし。
澄み切った文が綴る聖と俗の鎮魂歌、鳥肌立ちますよ。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883882735/reviews/1177354054886262464そう考えると、日本のような土地では一神教における神のような超越者は想像できず、聖と俗が日常に入り混じらざるを得ないのかも知れません。
そういえば、和田竜さんの歴史小説でも、戦国時代の日本人は異常に命を軽んじた、という設定だったように記憶しますが、案外と実状に即していた可能性があるのかなあ。かなり史書を調べられる方なので、そこから得た着想だったのかも。
▼あ。
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺跡が世界遺産認定されましたね。よかった。