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誤変換? ハナミズキじゃなくて花見好き

 先週の続きです。桜の人気スポット都内の1位は目黒川ですね。ソメイヨシノが約800本ということなので、数としてはどうかなとお思いの方も少なくないと思いますが、恵比寿や代官山に程近く、地下鉄日比谷線・中目黒駅から徒歩僅かという立地が他の追随を許さない最大の理由なのでしょう。商店街沿いを流れる幅わずか数メートルの目黒川の両岸を埋める桜並木。大きな公園に比べると箱庭のようにも感じますが、ライトアップされる夜桜にはコスパの高い最適なシチュエーションかもしれません。開花後に寒さの続いた今年は二度の週末を若者や多くの訪日客が楽しんだようです。

 どこかのキャラメルのように、二度オイシイ思いをしたのは上野恩賜公園も同じです。桜並木に囲まれた不忍池は、多くの家族連れやカップルで賑わいました。とても人目を忍んでいる光景には見えません(笑)。上野駅側に建つ“西郷どん”もこの時期は完全に桜に主役を奪われています。混雑する花見客の人ごみの中でよく聞かれるのが花見自慢。「弘前公園の桜がよかった」「ひと目千本桜が一番」とお国自慢ならぬ旅行自慢とも桜自慢ともとれる会話が飛び交うここは上野公園。やっぱり東北の玄関口か、といった風情です。結構楽しかったので、小説に登場する大学生になった広海たちにも花見の舞台を用意しようかなと思います。
 さて、桜前線は一気に北上します。青森の弘前公園や宮城県大河原市のひと目千本桜だけではありません。福島では福島市のその名もズバリ花見山公園や田村市の三春の滝桜、岩手の北上展勝地など、東日本大震災から8年が過ぎた東北各地の桜の名所も輝く季節を迎えます。どこの観光大使でもありませんが、みなさん、どうぞ一度足をお運び下さい。

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