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血染めの手2

https://kakuyomu.jp/works/16817330656927273343/episodes/16818093089202531212

 ムシュリタの言葉には熱が宿っていた。燃え盛る炎のような猛ったものではなく、圧縮されたレーザーの如き高密度の灼熱。静かで揺らぎのない超絶的な赤光は無慈悲な暴力性の象徴であり、思わず息を呑んだ。かねてより仲間に対して並々ならぬ情を持っていたムシュリタである。この時を、仇を討てる瞬間を前にして、抑えていた激情を殺意に収束させたのだ。

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