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自由のために8

https://kakuyomu.jp/works/16817330656927273343/episodes/16818023213048595970

 ネストへの配給は主に政府支出からの援助であったが一部民間でも取り扱っていた。これは公募によって選定された企業が受け持っていたのだが、談合や癒着の末に決まる事が多々あった。依頼主は無論政府である。
 この無法はそれまで三度行われ、選ばれたのはいずれも外務省と繋がりのある企業ばかりであった。例外なく、疑惑が報じられている。そろそろ"うるさい"だけでは済まない頃合いであり、不正な移管は次が最後だろうというのが識者の見解であった。なぜそういえるのか、それは外務長官であるブリックが属している派閥が急激に力を落としていたからだ。筆頭として担ぎ上げられていた政治家の不適切画像送付問題がすっぱ抜かれ支持率が大きく低下したのである。

 俺との会談を設定したのは、そんな背景もあったのかもしれない。要は国民へのご機嫌取りを行い少しでも延命処置をしたかったのだ。記者を入れた公開会談にしたのも、それで納得がいく。

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