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言葉の野辺4

海外文豪の格言というのは必ずや翻訳というフィルターを通されるため、
原文の持つインパクトをそのまま味わうことはかなわない。
それはまた、
日本人作家による名言の機微や情緒を外国人が味わうこともかなわないわけで、
なんだかとても残念な気がする。

◇愛嬌と云うのはね、自分より強いものを斃す柔らかい武器だよ(夏目漱石)

◇のんきと見える人々も、心の底をたたいてみると、どこか悲しい音がする(夏目漱石)

◇忘れるにまかせるということが、
 結局最も美しく思い出すということなんだ(川端康成)

◇こころにはいつはりなし、はた又、こころはうごくものにあらず、
 うごくものは情なり(樋口一葉)

◇あなたの涙に果実の核ほどの意味があるか
 きみの一滴の血に この世界の夕暮れの
 ふるえるような夕焼けのひびきがあるか(田村隆一)

◇前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。
 恐れない者の前に道は開ける。
 行け。勇んで。小さき者よ。(有島武郎)

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