そのころ、奥方は赤ん坊を生んだが、その子は弱くてすぐに亡くなってしまったそうだ。
奥方が嘆くのがかわいそうで、平助さんは、石臼の生まれたばかりの精霊を、亡くなった赤子の中に入れてしまったというのだ。
赤子は生きていることになったが、元々石臼の精霊、うっかり気を抜くとずしんと、重くなってしまうので、周りが気味悪がり、その赤子を忌み嫌った。
奥方はそれを気に病み病にかかりやつれて行った。
平助さんは、それを見て自分のしたことを後悔したそうだ。
自分のせいでやつれていく奥方の姿を鏡に映し出すたび、取り返しのつかないことをしてしまったと悔やんだ。