「最も親しい君へ」
この話は、高校時代の恩師の語り口とか、中学時代の親友との思い出を参考にしながら書きました。ちょっと悪文なのは、その先生の大袈裟な口調を取りいれたからです(あんまり大きな声で言えないけど)。一体どこへ向かってゆくのか、わけがわからないまま書き進めて、おもいがけないイメージと言葉が最後のほうに出てきたので、書いている間、しみじみとしました。それと、戦争の影のようなものを、感じ取りました。それでも生きていこうとか、いま世間に充満している気休めでなく、それでも、ゆたかさを見つめて、一緒に現在を見ようという、これを書かなければ、わからなかったものがあると思います。普段は、ついつい右から左へと言葉は流れてしまいますが、小説だと、出てくる人物たちが、「いや、そうじゃないんだ」と、流れを止めて、いつも大事なことを教えてくれます。
『目ざわり』
まだ完結していませんが・・・。小説や漫画をたくさん描き始めるトリガーになってくれた作品です。二年くらいまえでしょうか。さいしょは漫画にしようと思ってました。そのとき、まわりの環境がひどいもんで、生活の理想とか、人生の階段とか、まったく問題にすらならないくらいの崖っぷちでした。それでもけっこう平気に生きてたんですね。自分に誇りはなかったですが、やっていることは間違っていないと堂々としてました。高校時代の先輩に、焼き肉をごちそうになってたとき、「またきみの小説読みたい。すべて覚えている」と言ってもらってまた書き始めるよう鼓舞してもらえました。高校時代、文芸部に入っていて、その先輩にいろいろと手ほどきをしてもらって、みんなの真似をしながら小説を書き始めました。
連想ばかりが浮かんで、なかなかペンが進まないのですが、唯一の長い話になると思います。自分の内面の話だと思うので、しんどいことこの上ないのですが、自分のことを超えて、現実のうえをすっとなぞることに、元気を出して頑張りたいと思います。2019年はこれで生き延びました。いま思うと。
長くなりそうなので、何回かにわけて、解説を続けたいと思います。