久環紫久

短編を思いついたタイミングでまとめていきます。

今よりずっと昔から物語は始まっていたのかもしれない。けれどもついさっき、歯車が噛みあって、がしゃんと音を立てて動き始めたような気もする。寒空の下、星を眺めながら聞いた幼馴染の相談…

　ある日逃げ出したカトウは妙な世界に迷い込む。そこで出会ったテディベアのような知識の守り人と、奇妙な逃避行が始まる。

　魔法使いの住まう世界。そこにはたくさんの営みがあって、伝承がある。長い年月を経て消えてしまうかもしれない逸話や小話を一人集めて歩くものがあった。彼は自らを”伝聞拾遺使”と名乗っ…

東京・新宿。その一角にある宵捕町を拠点として、凶悪な犯罪者のみを殺すことを生業とする殺し屋たちがいた。彼らは『屋号会』と称する殺し屋集団で、其々が其々の殺しに美学を持ち、故に”殺…

　天気雨に降られた「僕」が洗濯物を取り込んだとき、空から女性が落ちていった。 　天気雨が降った時、「彼女」は空から飛び降りた。 　天気雨の降る中で、二人ははたと目を合わせた。 　…

　たまの休みのある冬の日に実家より父親が来訪した。何か一大事なのかと思えば確かに一大事なのだという。いったいどんな一大事なのかと尋ねると、家業が大変だから冬の間だけでも手伝ってほ…

夏の日の夜、蒸し暑さに耐えかねた僕はコンビニに向かった。その帰り道の出来事である。

　少し、無理をしすぎたみたい。そんな母を見ているのがつらかった。

主人公は付き合って四年になる彼女がいた。同棲生活をして、すべては順風満帆だった。そして今年の冬、物語は動き出す。

冷やし中華が始まったころ、主人公たちは学校に缶詰にされていた。朝から晩まで勉強尽くし。泣きたいこともあるけれど、それでもやっぱり頑張らなくては。大好きなあの子と同じ大学に行きたい…

主人公である彼女は夏休みのあいだ、母校である小学校のプールの監視員のバイトをすることになった。そんなある日——

　東京都・渋谷にある寂びれたバー「リベラル」 　どうやらそこは新宿の屋号会とはまた違った連中が殺しを生業としているらしい。 　そこにいたのは人ではないと言い張る銀髪の男を筆頭とし…

　主人公はある日、美少女とキスをする夢を見る。あまりにも美少女でドギマギしてみたが、その昔、会ったような記憶があって？

　赤梨紫青《あかなししあお》は悩んでいた。自分にはこれしかないと思ってこれまでやってきた絵描きの道をこのまま進んでもいいものかと。 　思い悩んだ彼は家族や顧問の手助けを受け、ルー…

※旧題「異世界に転生されると思ったら現代に引き戻された僕の英雄譚？」 　高校生になった主人公の「僕」はある日、地下鉄に引かれて死んでしまう。気が付くと「僕」は真っ白な空間で、現実…