冒頭の、主人公の思考。次から次へと溢れてくる感情が、見事に表現しているような、流れる長文に、僕はすっかり惹き込まれました。夏の夜。幻想的な出来事が起きうる最も適した舞台のなかで、主人公は天使に出会った。そして、思いを告げた。物語の中だからこそ、突拍子のない現実が許される。主人公の思いが、この物語には詰まっていて、それこそ稲妻のような疾走感をもって、読者に伝えてくれる。まるで詩のような、そんなお話です。にぎた