本日の読書

石原莞爾『最終戦争論』
戦争を推奨する本ではありません。強いて言うなら日蓮宗的末法の考えに基づく世界の終わりについて論じています。戦前の日本人、それも軍人が何を考えていたのか、の一例に高い解像度で触れられます。平和を考える上で、戦争の時代を生きた人の脳内を覗くのは、結構大事だなぁ、と思ったりします。何かと戦うには、その何かを拒絶するのでなく、熟知しなければならない、と思います。

カダフィ大佐『緑の書』
カダフィ大佐は独裁者であり絶対的悪だ、というメディアの作り出した誤った知見を百八十度変える、あるいはもっとニュートラルな視点で見れるようにしてくれる本です。政党政治の非民主主義性を指摘したり、真の民主主義の形とは何かを説いたりと、かなり斬新な、かつ物事の本質見極めんとした内容になっていて、一読の価値ありです。現物は絶版で中古しか手に入らず、プレミアがついていておそらくどこでも一万円以上するのでハードルはかなり高いかもですが、電子書籍なら安く買えます。

どれだけ悪に見える人も、どれだけ善に見える人も、その対極に位置する性質を、強度の強弱はあれど、必ず同時に内包しています。誰かが、あるいは誰かの考えが、ある形に見えるのは、所詮レッテルを見ているに過ぎないので、頭ごなしに否定したり、無条件に鵜呑みにする前に、本質に触れて、それを咀嚼し、己が脳で再構築して何かに生かすのが同じ人間としての礼儀であり義務であるように思います(興味が湧かない場合はスルーでもいいと思いますが)。

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