一週間ほど前に投稿したこの小説の着想は、これまでにすごく嫌な下線の引き方と、すごく優しい下線の引き方を目にしたことがあって、大きな差を感じたことです。
前者はネット上での出来事で、歪んだ願望・嘘・見下し・劣等感・嫉妬などを混ぜて煮込んだみたいな強調でした。読み手を害している存在を称賛し、苦しむ人の感じ方を否定していて、しかもそれを隠そうと複雑にしているところがすごく嫌でした。トロイの木馬みたいで。
後者は短い手書きのメッセージでの下線(黄緑色)だったのですが、少しのことですごく気持ちが伝わるんだなと感じ入りました。筆跡も書いてある内容も好きだし、ここまで柔らかい親密さを込められるものかと嬉しくなりました。
これらの差が、作品のあおり文にも書いたような「たった一本のアンダーラインの引き方に表れる、究極的な人間性の反映」だと感じられる瞬間がありました。
よかったら読んでみてね~~。(もう読まれた方は過去作もよかったらこの機会に)
『一本のアンダーライン』(6300字・10分程度)
インクのしみのように曖昧な雲が空に浮かんでいた朝、私の家の小さな郵便受けに二通の手紙が投函された。
差出人は二人とも、高校時代からの旧友。それらの手紙には、ひと目でわかる違いがあった。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890815349(ツイッターもやってます →
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