「それでも、生きていくしかない」
これはわたしが学生の頃、悩んでいた時期に母に言われた言葉だ。
去年突然父が亡くなって、泣きじゃくる母に、わたしは同じ言葉をかけた。
「泣いても父は帰ってこない。それより、家族が幸せな姿を見せるべきではないのか」
と。
人は遅かれ早かれ、死ぬ運命だ。私たちもいずれ同じところに行くのだと、わたしは人生を俯瞰した目で見ていた。
だがこれは正論の暴力だ。これを正論と言ってしまうのも傲慢なのかもしれないが、今は母の言葉に、感情に耳を傾けるべきなのだ。それをわかっていながら、突き放すような言い方をしてしまった自分自身が心底嫌になる。
わたしは苦しい時、泣きたい時、感情を表に出すのが苦手だ。同じように苦しいはずなのに、思いのまま泣きじゃくり、感情を吐き出せる母が羨ましかったのかもしれない。
わたしが言えることは、人はいついなくなるかわからない。自分自身も、いつ死ぬかわからない。だから会いたい人には会って、言いたいことは言っておくべきだ。
そして自分の人生を大切に生きろ。