今日は終戦の日という事で百田尚樹さんの「永遠の0」について語りたいと思います
私がこの小説を読んだのはちょうど10年ほど前になります。
特攻隊として命を散らした若者たち。
当時はお国の為と、特攻で命を落とす事は名誉な事とされ、皆喜んで亡くなったといいます。
「笑顔で逝きます」と、自らの命を懸け、零戦(戦闘機)に乗る若者たち。
それはどれほど悲しく、そして恐ろしかった事でしょう。
いつかニュースで見たのですが、彼らは〇醒剤チョコなるものを渡されていたと言います。
死への恐怖を和らげる為支給されたのでしょう。
このような非人道的な行いが当時は当たり前で、彼らは戦闘機と同じ扱いを受けていたのです。
日本の若者が道具のように扱われる一方で、アメリカ兵士たちは逆に戦いに行く者として丁重に扱われていたようです。
この差は一体。
本作の主人公ですが、特攻隊として戦闘機に乗る事が名誉とされていた当時、残された家族の事を思い、特攻隊として志願する事に疑問を持っています。
彼はそのような時代にあって、現代の私達と同じ感覚を持っていたのです。
当時の彼らにとってそれは誇り高き死という認識はありつつも、やはり人間ですから、恐怖や、やるせなさというものは持っていたと思います。
主人公はそんな彼らの気持ちを浮き彫りにし、読者の私たちにそれらを訴えかける代弁者となったのではないでしょうか。
永遠の0はそんな若者たちの葛藤を通じて私達に今一度平和の意味を問いかけてきます。
戦争を繰り返してはならない。
そう言いながら世界ではテロや戦争が絶えません。
ウクライナ戦争、中東問題。
日本では終戦の日ですが、世界の戦争は終わってはいません。
この平和がいつ崩れるか、それも分からないのです。
私たちは終戦の日を通じて、こうした世界の戦争にも目を向けなければならないと思います。
話が少し逸れてしまいましたが、すべての戦没者に哀悼の意を表します。