ある種の確信を得たので、書かせていただきます。
題して
第二幕のボスor主役(もしくは話の中心)ってどういうやつ?
端的にいうと、次のようなキャラになります。
・中ボス(幹部の一人)
・シャドウ(主人公の対比となる敵や相棒・ライバル)
・トリックスター(死によって幕を切り替え、本敵をあぶり出す)
・表向きのボス、黒幕
・その舞台の主、中心人物
・物語を始めた人物
・旧時代の人間
基本的にここからズレてはいけません。
異分子キャラが二幕の主役に躍り出るのはやめたほうが無難だと感じます。構成上、どう頑張っても無理があるので。
物語上での重要人物・鍵を握っている、第二幕主役にふわさしいキャラが別にいる場合、事故ります。
個人的には主題と無関係なキャラがトリックスターとして出張るより、その正体が舞台の中核に関わるものであったほうが、盛り上がると感じます。
というか、部外者キャラは2幕のメインになっちゃいけないまで、あるのではないかと。基本的にこの枠ってこの舞台で生き、この舞台で死ぬキャラです。
仮にこの2幕が章の幕に相当する場合、最終盤まで使えるキャラならなおさら、消費するべきではありません。掘り下げるにしても中盤まで待ったほうがいい。それまでは表面上のイメージをきれいに作り上げていったほうがいいでしょう。
逆にいうと使い捨てるつもりなら章内の描写に全振りするのはありかもしれません。代わりに相応の役割・活躍を果たしてもらいましょうという感じで。
さて、肝心の二幕の主役の話ですが。
とりあえず、二幕は”過去”に相当するものと言っておきましょう。
物語を未来の軸へ進めるため、過去の人物の物語を精算・解決させ、第三幕へクライマックスへ進むイメージです。
要は前作主人公に近いポジションとも、いえるのでしょうか。
叶えられなかった望みを主人公に(結果的に)託す感じです。遺されたものがラスボスを倒すのに貢献したり、意思が引き継がれる。
結果(成果)によっては再評価されることが多い人物です。
また、第二幕の主役を舞台の顔役・主に設定した場合
舞台の歴史=本人の歴史・バックボーンとなります。
第二幕の物語というのはあくまで人生を切り取ったものに過ぎません。本人が背負う物語は見た目よりも大きいわけで。
このあたりが二幕の主役の人気が出やすい理由だと感じます。
そしてその終幕は本人にとってのクライマックスです。
これまでの人生・過程は全てこの瞬間のためにあったのだと思わせるような舞台。
必要なのは想いです。その計画・動機は誰にも譲ってはならない。
ただそれだけのために全てを懸けるようにしなければならない。
自らに捧げられる物語はおのれにとってのサビでなければなりません。その大舞台が人生のクライマックス。それ以降はありません。
仮に続きがあるとしたら仕切り直しか、終わりの果ての物語になるか。いずれにせよ ◯◯としての自分が消えます。リセットしなければ次の物語には移行できません)
だから、まだ続きが望める・本番ではないキャラは顔見せからスタートしてもいいんですよね。
当人はゴール済み・物語は終わっていて、本来なら続けられません。だからどこかで終わらせてもらう必要があるし、クライマックスにも立ち会えない。これが、二幕主役たる所以かもしれません。
イメージとしては二幕までが二幕主役の物語、三幕目が主人公たちの時代に切り替わるような雰囲気。
ちなみに二幕の主役は黒幕に近いポジションです。
本人に計画があり、執念に近い想いがある。
それが主人公を救うこと・運命を変えること・世界を救うことに繋がるか、個人的な望みに収束するかは別ですが。
とにかく黒幕がプロットを敷いて、主人公がその通りに動く。
黒幕の計画が進めば物語も動く。
この手のキャラは実際に対決するまでラスボスと思われがちです。あと宿敵でありながらずっと期待をかけ、待っていた関係性でもある。
イメージ的には主人公の物語と黒幕側の視点が二幕のクライマックスで合流する感じです。
どっちにして直接対決はするわけで。
決着をつけて初めて転換。第三幕へ移行する形です。
ある種、庇護されていたわけで。次の話(主人公が一人で歩き出す)に向かうのに、退場する必要があるわけですね。
個人的には第三幕(物語の残り1/3)から本編が開始する印象です。二幕の終了でようやくスタート地点に立てる感じで。
地盤を整えるために2/3を消費する形でもあります。だからといってなにもしなくてOKというわけではありません。むしろ、残り1/3時点で世界の真相は表層くらいは開示しておく必要があります。
2/3を使って広く浅く掘り下げ、1/3で狭く深く核心を突く。
第二幕に関しては、当初の目的を果たすor本命の敵との決着をつける、そのキャラの人生と結末を描いて、幕引きって感じがいいでしょうか。
ここで重要なのは、計画の概要・なにのためにそれをやったのか・本当の目的とはなになのか・そもそもどういうキャラでどういう経緯をたどって形成されていったのか。
これを描くことですね。
シャドウ側の主人公との因縁・過去話ではなく。
謎解き要素に関しては、
進撃の巨人の地下室を例に出すと分かりやすいと思います。開示の仕方は回想で一気に描く感じでOK。
(一人のキャラを掘り下げると、全部明かされるというパターンはこれ)
回想の主と二幕の主役は=で結ばれる場合もあるが、どっちでもいいです。
あえて基準を言うなら表の舞台に出てきているキャラですね。きちんとその世界で現在進行系でレールの上を歩き、主人公たちを導く風。リーダーともいうべきか。(2幕メインは物語を一定のラインまで進行させるまでが役割、かもしれない)
鍵を握っていてもすでに退場済み・エピソードには関わってこないというパターンは、メインから外れます。
進撃なら2幕のメイン:エルヴィン。ボス:超大型という印象です。
多分ですけど、メインとボスは並列します。二人いる感じです。ボスのほうは相対的に扱いが小さくなるかもしれません。
ここで二幕主役が退場する場合、生存するとシナリオが崩れるから、というパターンもあります。
第三幕に関しては見識が浅いのですが。
第二幕の主役が物語を始め続けたものなら、三幕の主役は幕引き役だと感じます。
対にする・逆算すると分かりやすいです。大抵、対比になっているので。
互いが互いの敵対者。
類似点があるor同根だけど守りたいものが違う・正反対になっている。
あとは、ラスボスは基本的にテーマと相反する・否定するもの・倒したら終わるようなあり方になってそうです。
ほかにも第二幕のボスはラスボスを表に引っ張り出す役割を担ってそうですが、やってないキャラもいそう(退場することで押さえが消えるという意味なら、ありそう)なので、保留とします。
少なくとも特攻は入っていそう。互いが互いにとっての致命傷になるというか。
それで、ある種の本題なのですが。
本編でやってはならないことといえば、物語に関係のないキャラの掘り下げです。
そのキャラの物語は本編の鏡写し、必要なものであったとしても、消しておいたほうが無難。もしくは番外編として単独で記載したほうがよさげです。
なぜかというと、皆表面上の要素しか見ないからです。
9割:このキャラの掘り下げ・物語と関係のないストーリー。
1割:実はこういう話だったんだという核心。
こういう比率になっているわけでして。
骨格が本編に関わり合いのあるもので構成されていても、枝葉が無関係なものに染まっていると、それらは全て無意味なものに成り果てるのです。
要は伝わらなければ意味がないわけですね。
鏡写しだからこそ、別々に投稿したほうがいい。そんな感じになります。
予想ですけど。
1幕メイン:世界・舞台の導き手。(物語には干渉しない)
2幕メイン:物語の進行役(プロットを動かす)
3幕メイン:幕引き役。
追記
別に、章ごとに幕を必ずしも作らなければならないわけではありません。
少人数で話を回す場合、1章1幕で終わる可能性もあります。
キャラが動く通りに任せ、その通りに書くパターンもあります。
ちなみに、2/3段階で激突するキャラは中ボスの役目になるため、きっちりと敵として立ちはだかったほうがいいと思います。
章ボスに目的があり、それを実現するために動いているキャラがいる。それを倒すことで情報を引き出したり、計画を阻止せんとする。これで物語が進んでいる感が出るのではないでしょうか。
追記
主観、やらかしてると感じる基準に消化不良というものがあります。
掘り下げられ尺を使われておきながら途中退場、以降は全く出番がない。完全に忘れ去られるパターン。
起承転結の転まで書かれ、結がない。描写がカットされている。
だからモヤッとする。
それで、なぜそうしたかというと
重要なキャラではないから。
まだ出番が先にあるから。
つまり、本番が別にあるんですね。
この時点で二幕のメインから外れています。
反対で章内で自分の物語を完結され、人生を描かれたキャラは、途中退場しようが満足感があります。
ここが最大の違いですね。
二幕メインってその舞台・章でないと描けないキャラだと思うんですね。
章またぎするには制約が多い。舞台を前提にした設定をしているといいますか。
消化不良になる構成になっている時点で配役をミスッている。
そんな感じです。