正直、起承転結の起を書くのは苦手です。情報量が多くなりすぎたり、展開が平坦になりがちだったり。
日常を描かなくてもいいと分かった後は、マシにはなりましたが。
それはともかく、桃源郷の話、大胆にカットしました。といいますのも、明らかにいらないだろと思う部分がありますので。
物語を書くにあたってなにが重要かって、取捨選択ですよね。
第一に、話の流れは以下の通りです。
・祠の剣を抜いて、怨霊が出る
・主人公の過去とか過程
・仙人に拾われ、道標を獲得
・王都へ赴く
たったこれだけで全てを描けるのです。必要なかったのは、盗賊団と遭遇するくだりですよね。カットしても問題ないと判断しました。
まあ、伏線が混じっていますが、そこはそれ。おかげで齟齬が生じていないか不安ではありますが。
いちおうあの話の中で描きたかったのは、キャラ立てです。王都側の戦力を示したかったのです。しかし彼ら、普通にキャラが立っているような気がしなくもない。描写の一つや二つ、減らしたところで、痛手でもないのでは? と。
容姿の描写が消し飛んだのは問題ですが。どこかで埋め合わせはできないだろうか……。
ちなみに王都側は物語で必要だから全員出しました。
伶→ショートカット。
仙人→道標、助言など。後、短剣。間接的な元凶。
蒼冴→時間停止。
鎖男→シャドウ。決戦・最終決戦だと、切り札にもなる。
深緑→冥界。
空昇→クライマックスのアレ。(ネタバレ)
蓮→ネタバレ
芳玲は……皇帝のためのキャラなのですよね、実質。作り込んではいるのですが。
とりあえず全員、ストーリーから逆算して作った存在です。
友人ですら必要不可欠でもあります。だからプロローグが祠を壊すところなのです。(あそこが全ての始まりだからというのも、ありますが)
『冥界』で察してください。
それと、これは持論ですが。
私はモブは出さないように心がけています。というのも、物語に関わった時点で、そのキャラはモブでなくなっているわけです。
どうせトリガーを引く役を担っているのなら、きちんとキャラを付けなければならないといいますか。
では、逆はどうなのか。
完全なるモブ。物語には関わらず、ただのにぎやかし止まり。
こういうのは掘り下げてもなーと感じます。そこにかける尺はいりませんね。
モブが話を動かすと物語が死ぬと、個人的には感じます。『僕は勇者にならない』は、これが原因で執筆が止まりました。
どうせ主人公が対決するなら、名有りキャラ。助言をしたり、色々とする役なら、いままで関わってきた相手だとか。
そういうのを設定せずに、モブはモブだから適当でもいいとか言っていたら、それこそ甘えなのかもしれません。
ろくな設定もない浅い描写しかないキャラが文を埋め尽くす――それこそ、地獄かもしれませんし、とにかく薄っぺらい印象を受けるのかなーとも感じました。
そういえば先程、さらっと序盤の流れを説明できたことに、驚いています。
いままでの話は、これができませんでした。プロットを細かく組みすぎると、逆にストーリーが薄っぺらくなるのかなと思ったり、思わなかったり。
桃源郷は三幕構成で当てはめられはします。
第一幕:祠を壊してから、桃姫に惚れるまで。
第二幕A:桃姫と悪霊退治、各地を巡る。
ミッドポイント:反乱軍が全滅、桃姫の正体、呪い。王都脱出。
第二幕B:逃避行。試練。各地を巡る。
第三幕:最終決戦。
あえて濁した部分もあります。
こうみると整っているほうなのかもしれません。
メインストーリーも実はシンプルです。『異世界にやってきた少年が、桃姫と一緒にその世界から脱出する』これをまとめると、三〇〇〇から六〇〇〇字で終わります。
今の文字数はサブプロットを重ねていった結果ですね。
ミッドポイントで話の流れが転換するタイプで、いうなれば、ジェットコースター型になるかと思います。
後半は全て見所しかありませんし、引き返せるポイントが一切ないという。そこから終盤までフルスロットルです。
最後まで投稿できるか不安であったのですが、下書きを読むと「これは投稿しないほうがバカだろ」と思ったので、大丈夫だと思います。
読後感の爽やかさが尋常ではありませんでした。
主人公とヒロインの関係性は自作でもトップクラスだと感じます。さすがに思い入れでは願いの泉が殿堂入りですが、二位に入ってもいい気がします。
『僕は勇者にならない』もありっちゃありですが……実質、未完なのですよね。ただし、涅影丸だけはよかった。彼の描写の『描写し切った』具合が尋常ではなかったので。
ここから先、彼以上の悪役ってのは難しいかもしれません。