https://kakuyomu.jp/works/16817330650090488047/episodes/16818093085245278933116話UPしました。
いよいよお葬式編スタートです。
この作品実は、書き始めた当初、冒頭の5000字くらいから上手く進められなくなり、何度か書き直した末に大きくストーリーを変更して現在に至るんですが……
その断念した冒頭というのが今回の話だったりします。
「大物吸血女の葬儀に大勢の弔問客がやって来て、そこで事件が発生。喪主であり前主人の使い魔であるミケは突然後継ぎに選ばれて戸惑う吸血鬼の青年と共に事件解決に乗り出す」
っていう、ちょっとミステリー風味の強い怪異アクションになる予定でした。この時点での主役兼語り部はどちらかというとミケの方でして。
ただ、ミステリー仕立てな事もあって登場人物が二話くらいで一斉に出揃ってたんですが、吸血鬼に猫又に天狗にウェンディゴにバンシーっていっぺんに出したら、当たり前だけど捌ききれなくなったんですよね。
おまけにミケ視点で話を進める難易度が高過ぎました。
本作の世界は「現実世界にそっくりだけど微妙に異なる歴史を歩んでいる異世界」な訳ですが、猫で怪異のミケは普通の人間の視点を持てないんで、彼に異世界の解説役をさせると読者視点との乖離が大きくなり過ぎるんですよ。
元々ミケは本作のプロトタイプになった短編の単独主人公だったんです。短編なら世界設定深掘りしないから彼の視点でも行けたんですけど。
そこで、まず世界設定を丁寧に説明しようと思って一話限りの人間側のゲストのつもりで根岸を登場させて、全く違う冒頭のエピソードを書き始めました。
そうしたら根岸を気に入ってしまったので、このまま主人公にしよう、吸血女の後継者も彼にしよう、と思い立ってどんどこ設定と話を盛っていって、結果として現在の「真夏の夢、君がため」のエピソードが出来上がった形です。
大分当初の予定と違う流れにはなりましたが、48万字も費やしてどうにかもう一度この場面が書けたな~っと感無量な気分になっております。