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ただの世間話です。

 いつだったかTwitterで見かけた格言、「自分の考えたとおりに生きなければならない。そうでないと、自分が生きたとおりに考えてしまう」をネットで検索してみたら、フランスのポール・ブールジェという小説家の言葉だそうです。
 古代ローマの哲学者セネカは『生の短さについて』に、次のように書いています。

「われわれにはわずかな時間しかないのではなく、多くの時間を浪費するのである。人間の生は、全体を立派に活用すれば、十分に長く、偉大なことを完遂できるよう潤沢に与えられている。しかし、生が浪費と不注意によっていたずらに流れ、いかなる善きことにも費やされないとき、畢竟(ひっきょう)、われわれは必然性に強いられ、過ぎ行くと悟らなかった生がすでに過ぎ去ってしまったことに否応なく気づかされる」(セネカ『生の短さについて』岩波文庫、大西英文訳、2010年、p.12)。

「多くの者は他人の幸福へのやっかみか、己の不運への嘆きで生を終始する。移り気で、あてどなくさまよい、自己への不満のくすぶる浮薄(ふはく)さに弄(もてあそ)ばれ、これと決まった目的もないまま、何かを追い求めて次から次へと新たな計画を立てる者も多く、また、ある者は、進むべき道を決める確かな方針ももたず、懶惰(らんだ)に萎(な)え、欠伸をしているうちに運命の不意打ちを食らう」(同、p.13)

「何かに忙殺される人間には何事も立派に遂行できないという事実は、誰しも認めるところなのである。雄弁しかり、自由人にふさわしい諸学芸もしかり。諸々の事柄に関心を奪われて散漫になった精神は、何事も心の深くには受け入れられず、いわばむりやり口に押し込まれた食べ物のように吐き戻してしまうからである」(同、p.25)

「人は、これを、次にはあれを、と考えをめぐらせ、遠い将来のことにまで思いを馳せる。ところが、この先延ばしこそ生の最大の浪費なのである。先延ばしは、先々のことを約束することで、次の日が来るごとに、その一日を奪い去り、今という時を奪い去る。生きることにとっての最大の障害は、明日という時に依存し、今日という時を無にする期待である」(同、p.32)

 偉人の名言を長々と引用して、僕が言いたいことは何かと言うと、カクヨムをやっているからには何かしらの文章を生産して発表した方が良いんでしょうね、ということです。
 別に、読者より作者の方が偉いという話ではありません。
 この大衆消費社会では、ぼやっと生きていると人間はどんどん受け身になっていって、能動的に何かをすることがどんどん億劫になってくるのだろうということを、主に自戒として言っているだけです。
 こういうとき大事なのは、モノやサービスを作るか否かではなく、生きるときの身構えや態度だと思います。
 僕の場合は、何か書いてカクヨムに掲載する習慣を失わないようにした方が良さそうだな、というだけです。

 最初に引用したブールジェ風に言えば、「書きたいと思ったときに書かなければならない。そうでないと、書かない言い訳ばかり探す人間になってしまう」といったところでしょうか。
 やりたいことを先延ばししている内に、やるための時間を無駄にして、やらないことが当たり前になって、出来たはずのことさえ出来なくなって、出来なくたって別にいいじゃないかと自己正当化し、やりたいことをやっている人に「お前は暇で良いよね」などと嫌味を言うようにさえしまう……。

 もちろん、我々の時代の大きな特徴として、セネカやブールジェの時代よりも物事や状況の変化が速く、知るべきことも考えるべきことも多いので、近い未来だけを見て頑張りすぎるとパンクすることになるでしょうから、心身の健康を考慮することも忘れてはなりませんが、僕個人のカクヨムライフに関して言うと、書きたくなったタイミングで書いて、勢いがある内にアップしておこう、ということです。
 別に、この後新しい作品をアップする予定はないので、今の時点では本当にただの世間話なんですけどね。
 ここまでお付き合いくださった方、ありがとうございました。

 話は変わりますが、先週末、関西のアジサイの名所である、奈良県の矢田寺という所に行ってきました。
 この季節はアジサイがきれいなので、SNSで写真が上がっていることも多く、僕ごときがペンネームを「あじさい」にしたことをちょっと後悔していますが、エゴサをしたくても出来ないのは結果オーライだと思います。
 先週末は七分咲きといったところだったので、おそらく今週末は良い具合に見られると思います。
 アジサイの写真は検索すればきれいなものが出てきますし、僕が撮った写真には他のお客さんたちが映ってしまっているので、代わりに矢田寺のお守りの写真を載せておきます(画面が暗くてすみません)。
 色違いもあって、1つ500円でした。

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