昨日、ある方がパリの蚤の市を舞台に書いた短編を読んだのですが、今朝、起きた時、あれはモネの「カササギ」だわと思いました。
下にその絵の写真をアップしましたが、その「カササギ」はモネが1895年頃に制作したもので、パリのオルセー美術館にあります。雪と光をうまく描いた作品で、とても人気があります。楽しい絵ではないのに、見ていると心が明るくなっていくのは、さすが印象派のモネ。タイトルは冬景色ではなくて、「カササギ」、黒い小さな鳥が、柵のゆがんだ扉の上にいます。
カササギって、カラスみたいに色が黒いですしね、嫌われていた鳥で、それまで絵に描かれたことはなかったと思いますが、モネのこの絵を見て、この鳥をそんなふうに思う人はいないでしょう。詩のような場面の中に、しっくりとはまっています。この絵、雪景色だけではなく、この小さなカササギを描いたところが、キイでした。
また地面を見てください。人の足跡が見えます。この人は、そこまで来て、鳥がいるのを見て、引き返したのでしょうか。そんなやさしい人なのか、関係がないのかわかりませんが。
上に書いた方の短編にも、そんな物語が書かれていました。
ちょっと思ったことを書いてみました。
追記: パリの蚤市のことを書かれた作者は柊圭介さんで、タイトルは「名もなきオブジェの呟き」の一話、名前出しの許可をいただきました。カクヨム界では短編の達人としてファンが多く、心もやさしい方。まだ読んだことのない方はどうぞ。