玉山 遼

紗香は恋人である悠人さんとは別の、涼という男友達とも寝ている。ある日、悠人さんに世界の終わりごっこをしないかと提案された紗香は――。

高校生の叶（かなう）は友達の未樹ちゃんと、吹奏楽部の大倉先輩を見るために毎週水曜日、駅まで駆け抜ける。叶には「イマジナリー・フレンド」と呼ばれる友達がいた。

絵を描くことが好きな渉は、大学で入ったサークルの先輩、桃に一目惚れする。 性に奔放な桃は多くの男と寝ているようだが、付き合いはしない。渉は一線を超えないようにしようと心に誓うが……

自他共に認める美人である奈都は、透子というバイセクシュアルの女性を友人から紹介される。「デート」をし、付き合うことになる二人だったが、奈都は次第に不安をつのらせてゆく。

谷本は快い夢を見た。夢の中に登場する女性と、恋仲になる夢。しかし目を覚ませば味気ない現実が待っている。次第に谷本は、夢の中で暮らすようになっていく。

小ざっぱりとした風貌、さわやかな笑顔、煙草は吸わないし酒は嗜む程度に留める。男を褒めそやす声は飽くほど聞いたが、謗る声は全くと言っていいほど聞かない。しかし、その男の本性を、私は…

恋人がいるのに、身体の関係を絶ち切れないでいるユイは、この関係を結婚を機に終わらせようとする。すると、あることを頼まれる。

どうしても赦せない「彼女」がいる「私」は、その鬱憤を小説にぶつけていた。しかしある日、「悪役が可哀想」と言う感想を貰う。

しばしば一緒に出掛ける。互いの誕生日は祝い合う。二人だけの秘密もあるし、何ならそれは頻繁に行われるセックスである。私（アキ）に恋人ができ、その関係が一度は途絶えるのだが……。

大学生の冴は、ある朝思い立ち、ピアスを開ける。何かが変わらないかと期待したのかは分からない。それを行きつけの古着屋のまーさんに見せに行くと、「トクベツ」に売り物のピアスを貰う。

僕の右手が透けて見えるようになってしまった。仕事を辞め、猫を撫でる日々。恋人の優にはまだなにも、話していない。

画家の賀来は、友人で美大教授の阿久津に頼まれ、三浦陽介と名乗る陰気そうな青年を弟子にすることになる。だが、賀来にはとある隠し事があった。

小学生以来会っていなかった由佳が、高校二年生の春に転校してきた。 何かがあったように思えるが、「くらげ」の私は気にならない。 しかし由佳は、そうではないようだ。