ということで折り返し地点になります。
一応、あと5回で一区切りの予定です。
新しい方も参加して、さらにいろいろな結末が読めて楽しませていただいております。
また一部の方には創作欲に再び火をつけることができたかな、なんて(笑)
もっともそれは私も同じ。
やっぱり書くことは楽しい、物語を作ることは楽しい、そんな気持ちを再認識しております。
ということで次回のお題です。
今回はちょっとシリアス風味な雰囲気にしてみました。
もちろんお題は自由に改変オーケーです。
問⑥【遠距離と近距離】
彼女が優秀だってのは分かっていた。
だってずっとそばで見てきたんだから。
「予想はしてたんだけど、遠いところに行くことになったの」
彼女がそう言ったとき、やっぱりな、とそう思った。
「それってどこ?」
「遠いところ。たぶんココには戻らないと思う」
僕が彼女に惹かれた理由はいくらでも思いつく。
だけど彼女がボクのどこに惹かれたのかは、僕にとっていまだに謎だ。
ただこれだけはハッキリ理解していた。
ここで彼女の手を離してしまったら、僕たちの縁はそれまでだということ。
「そっか……遠距離恋愛ってことか。でも連絡手段はいくらでもある。ボクはここで待ってるよ。ここでずっとキミを待ってる」
と、彼女はここで大きく息を吐いた。
「それはあなたのためにも、あたしのためにもならない」
「待つのもダメなのかい?」
「あたしは関川君に一緒に来て欲しい。でもあなたにはここでの生活や仕事があることも分かってる」
ボクはすぐに返答できない。
失うものは少なくないのだ。
「ねぇ、一度だけわがままを言わせて。ここでの全部を捨てて、あたしと一緒に来て」
彼女は僕を見つめ、それからゆっくりと手を伸ばしてくる。
僕は……
※ここまで