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『世界を望めば、世界は我が手の中に』第二部のあらすじ

 大陸の中央にある竜の森の中心部、黒い都と呼ばれる世界竜族の都が、フィオと仲間たちの最初の目的地となった。
 世界竜族が滅んだ千年前の嘆きの夜から、世界から隔離された黒い都は、時を止めていることに気がつく。
 人の気配どころか、獣の気配一つしない森の不気味さに、黒い都へと急いだ旅の一行は、竜王の屋敷で探索を始める。鍵のかかった部屋に、散らかった部屋、それから使われた形跡のない木馬等の玩具がしまわれている子ども部屋。フィオの花婿となる世界竜族の生き残りの手がかりは見つけられないものの、地竜アンバーが見つけた使用人の日記には、嘆きの夜に最後の竜王ユリウスが関与していたことを示唆していた。
 竜王の屋敷を拠点にして探索して三日目の夕暮れ、名無しと名乗る姿なき存在が、フィオに接触してきた。
 名無しの正体は、最後の竜王ユリウスだった。
 彼は、フィオに自分の存在を他人に話さないことを約束させ、花婿を探す助けをするからと、世界の中心の塔に来るよう指示をする。
 フィオが仲間たちと世界の中心の塔へと向かっている頃、彼女の花婿の世界竜ファビアンも塔を訪れていた。
 身を潜めたファビアンはフィオが花嫁であることに気がつかないまま、ユリウスに腕輪を与えられた彼女と仲間たちは地下へと落ちていく。
 フィオが世界の終焉を防ぐ鍵だと知ったファビアンは、彼女の水色のリボンを握りしめて絶対に見つけ出すと決意する。

 地下に落ちたフィオたちは、地上に戻ることを諦めて、水竜のアーウィンが漕ぐ小舟で水路を下る。船の上で眠りに落ちたフィオは、夢の中でユリウスに自分が夢見の乙女であることを知る。
 フィオが目覚めると、小舟はコントロールを失い地下水路から押し流される。
 地下水路の先は、フィオの故郷である最南端の港町リュックベンを望む海の上だった。

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