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【短編】『ザ・パーパスインライフ』

こんにちは、風丸です。
以前から予告させていただいておりました、
ヤンデレ百合短編を書きました!

書いてみたかったんですよね、ヤンデレ。
物語を書くならハッピーエンドでしょ、と思っていたのですが、ヤンデレのハッピーエンドってどうやって書くんだとずいぶんと頭を悩ませました。

結果的に出た答えとしては、
「両方病ませれば良いじゃん」でした。
物語は3人称で進んでいくわけですが、3人称ならではのどんでん返し展開が実現できたのではないかと思っています。

今回は謎解きといいますか、種明かしもかねて解説付きです。
以下ネタバレあります。







――――――――――――


リリィは秀才で少し感情的になるのが特徴の女ですね。
自分の独占欲のために人を利用し動かす、1番マシに見えて1番ヤバいやつです。

まず、ラストの一文、長い赤毛はラーダンのもの。
つまりラーダン殺しの犯人はリリィです。


きっかけはエリーが顔に傷をつくったあたりですね。ラーダンの懐に金が入っていることを知っていたリリィは、自分が作った薬のせいで稼ぎのなくなったエリーがラーダンに痛めつけられているのではないかと疑います。
しかし口を割らないエリー。証拠を集めるためラーダンの周辺をリリィは調べるようになります。そこであの地下室とペンダントを見つけるわけです。


痣を心配されたエリーが言った
「もうこれ以上は転ばないようにしなくてはなりませんね」は、リリィに心配をかけないように男たちと寝るという決意でした。
その決意の元、エリーが自分以外の人と寝るようになると、リリィはラーダンがそうさせたのだと確信し、酷く恨み収まらぬ殺意のもと、毒を飲ませました。


怒りに任せて殺めてしまいますが、当然警察は動きます。
証拠の隠滅に知恵のないリリィは自分が捕まるのは時間の問題だと察しました。
そして思うわけです。誰にも見つからない場所に隠れていたいと。それも1人でではなくエリーとです。そこで真っ先に思いついたのがあの地下室でした。
薬さえあれば自分たちは生きられることを知っていたリリィは地下室の箱に薬を隠します。


自分が言えばエリーはどこまでもついてくる、ということは薄々分かっていましたが、誰かに自身の存在を選んでもらえることに人一倍の快感を覚えていたリリィは、エリー自らに動いてもらいたい、選んでもらいたいと考えるようになります。



ペンダントが見つかったということは、エリーは以前あの地下室に足を踏み入れたことがあるとリリィは理解します。自分が寮を出るということを匂わせてエリーの心を激しく揺さぶった後で、「誰にも見つからないような場所」という言葉で地下室の存在を連想させるよう仕組みました。エリーの動揺は分かりやすいものでした。
今の状態のエリーであればこれくらいのことはするのではないかという想定の元、手りゅう弾を渡したリリィ。もちろんその目的は地下室の出口を塞いでもらうためです。


結果、エリーはまんまとリリィの作戦通りに動いてしまうわけですね。
リリィは内心、腹をかかえるほどに大笑いしています。
もちろんエリー本人は自分が手のひらで転がされていたなんて全く思っていません。(分かってもリリィのことを好きでいるでしょうが……)


はい、ということで解説でした。
これを踏まえてまた読んでみると面白いかもしれませんね(笑)

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