異世界転生、転移、憑依(乗っ取り)について

異世界転生は人格記憶そのままに新たに産まれ直して人生を歩むお話、
異世界転移は子供から老人迄、人格記憶に加え身体までそのまま異世界に行き暮らすお話、
そして、憑依(乗っ取り)は異世界の人間の身体に入り込み、現地人として生きるお話。
私としては上記のような認識です。

憑依(乗っ取り)はパターンが結構分かれており、以下のようなケースが確認できます。
①現地民が事故病気で死亡直後に入り込み、現地民の名前地位で生きる
②現地民は生きている状態での憑依で2つの人格が同居する
③現地民は生きている状態での憑依で2つの人格が統合される。この場合精神的に成熟するケースが多い。
④現地民が生きている状態での憑依で、日本人の人格のみ残る(知識や記憶も貰う)
⑤現地民が生きている状態での憑依で、日本人の人格のみ残る(知識や記憶は奪えず立場だけ貰う)

昨今、④のケースを「異世界転生」と呼ぶ作品が多いように感じます。
これって元の人格どこ行ったんでしょう?お話によっては「異世界転生か!?よし!」と色んな感情葛藤すっ飛ばして瞬時に順応してたりで驚かされます。
説明では「前世の記憶を思い出した」の一文で終わります。
要はsave&loadですよね。それで、先程までプレイしていた現地民のデータ(人生)は?
上書きされちゃったんでしょうか?この手のお話はこの辺りは無視して進む物ばかりです。
統合してたりの描写があればまた別です。日本人のまんまなのばかりなんですよね。
普通に生きてきた人間の人格が、何かさっぱりわからん事情で消されて、そんなの知るかと異世界わっしょいしてる主人公。とても感情移入出来そうにありません。「自分のせいで〇〇さんは死んだのか?」と悩む姿くらい見せて欲しいです。

とある作品で、異世界行く前に神様との対話があり、そこでは現地の貴族の少年〇〇として生きることになる、と説明を受けます。そこで主人公は驚き、「少年?赤ん坊として産まれるんじゃなくて?その子はその子の人生があるだろ?人の身体奪って生きるなんて冗談じゃない!」と断ります。神様はその少年が事故で死んだ直後であることを説明し、身体の修復をしたところで入って貰う旨説明し、主人公も納得するという描写までされていました。
そこまで説明があると引っ掛からないのですがね…。
書籍化作品でも不思議に思うものが幾つもあるんですよね。

追記(2021.03.22)
憑依とは全く違うけど、①~⑤と近くもある例として、
⑥本当に知識としてだけだったり、前世らしき人間の人生を追体験することで、多くの知識・経験・技術を得る
を挙げます。
こちらは本当に「情報」として前世を受け入れており、人格は異世界人のママです。
この設定にする作者様は少ないんですが、良策が多いので開始数話でこの設定なら読み進める価値アリかと。
私が好きな「オットー・フォン・ハイデッカーはゲーム脳」もこれですね。前世の翔ちゃんの事は友達か何かなのかってノリで語られます。
他には「失格から始める成り上がり魔導師道!」が思い浮かぶかな。こちらも前世っぽい「あの男」の人生を追体験したことで少年の生き方に変化が表れた。という風に描かれています。こちらでは「あの男」なら取った行動を忌避したりと、別人格である事を時折明確に描いて下さってます。

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