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「紅緋の帝記」飲み物の話

 「紅緋の帝記」は本編でやたらとワインを飲みます。
 色んな飲み物出したいなって気もする反面、自然と出てくるのはそれに偏りますねどうしても…

 まずお茶が無い。コーヒーも中東で少し呑まれ始めた程度。
 蒸留酒はあんまり主流ではないし、北みたいにビールもあんまり飲まないし、ジュースは保存が利かないのでそんなくらいならお酒にしちゃうのがご時世。
 なので皆して本当によくワインを飲みます。もちろん等級…というより質の良し悪しは色々あって、常飲されてるようなワインは搾りかすに水を混ぜて作った『ワインっぽいナニカ』が殆どですが、それはそれ…

 林檎酒とか、コーヒーとか、それこそちょっと出してみたりもしてますが結局はワイン、圧倒的にワインです。
 冬場はホットワインをよく飲んだらしく、安いワインをあっためてそこにシナモンとか香草で香りづけをして、裕福な家庭では蜂蜜や砂糖などを足したそうです。
 飲み物ひとつとっても、そこにひと手間加えて美味しくするっていうのは、品物の質が安定しなかった事や、単調な食生活に少しでも変化を加えるためっていう切実な理由もあったそうで…
 ちなみにその香草も、都市部ではともかく田舎では名前もつかないです。要するに『集落のまわりに生えてる匂いがする何かの草』で、地元ごとに多分色んな香りが漂ってたはず。

 ハーブティーはしょっちゅう出てきます。
 フェデリコが医学や香草の知識にも豊富なので、自前で育てたり取り寄せたりしたハーブをあれこれ突っ込んで色んなお茶にしてる…はず。
 もちろんハーブティーと言っても茶ノ木は使われてません。

 コーヒーは第二十七節でちらっと出しました。
 この頃はまだ中東で呑まれ始めた段階なので登場も「舶来の謎の飲み物」ポジションです。
 当時は豆を煎ったり潰したりしたものを鍋でぐらぐら煮だすのが主流なので、まっ黒な上に泡立ってどろどろです。へたすると煎ったりさえしてないので、カフェインのきつい謎の泥っぽい飲み物なんて可能性も…

 ちょうど第三十三節ではエールのホットを飲ませてました。
 エールはビールの一種というか、昔はそれほど厳密に区別もされてないので名前違い程度の側面も強いような感じはします。断言はできません…
 ヨーロッパだと案外ビールってキンッキンに冷やすものでもなくて(というか昔なんか設備が無いんで当然ですよね)、飲み方も結構色々、飲む前にひと手間加えるってこともビールに限らず多い印象です。
 今回ハフサがエールを輸入したって言ってるダブリンは、アイルランド、当時はまだイングランドによって完全には征服されておらず、アイルランドに代官などを置いてじわじわ勢力圏を広げてた頃。交易ルート的にはジブラルタル海峡を通ってぐるっとイタリアにも色々運ばれていました。
(ジブラルタル海峡の通行税とかどうだったのかはちょっと解らなかったので触れないでください…)

 ちなみにこの近状ノート、資料確認せず二十分くらいでのんびり書いたので、いい加減な部分があるかもしれません。もし見てる人がいたら話半分程度に聞いてくださいね。


◆コーヒー(文中で明言はしてないです)
「第二十七節」1215年 帰還 -min Jahannam-
https://kakuyomu.jp/works/16816700429274331008/episodes/16816927859119278994

◆ホットエール
「第三十三節」1216年 皇帝 -Tiamat-
https://kakuyomu.jp/works/16816700429274331008/episodes/16816927859246117977

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