新章「黒狼 -Calu Etrusci-」公開しました。
第十九節の新章は1214年、前章から6年後です。
舞台はドイツにおけるローマ皇帝位争いの末期。
フェデリコと対立する僭帝オットーを追撃するエメスのシーン。
余談なんですが、紅緋の帝記では基本的に神聖ローマのことを単にローマと書いてます。ローマ帝国、ローマ皇帝、あるいは単に帝国、皇帝です。
元々歴史用語の感があったり色々名前が変わったりもしてるんですが、神聖ローマ帝国との称号が13世紀後半に始まる傾向があるので、作中人物らが神聖ローマ連呼するのも違和感あるんですよね…お爺ちゃんの赤髭王《バルバロッサ》がうちは教皇おらんでも神聖だから神聖帝国じゃい、みたいな対抗はやってました。
けど教皇から戴冠される時も別に神聖とか頭に付けてないし(当たり前かでしょうけど)、少なくとも暫くはフェデリコは教皇庁と仲良くやってるので、対抗意識丸出しの神聖帝国号も何じゃないですか。
どうにも帝国は~とかローマ皇帝にして~みたいな文言は出てきても、神聖ってついた話があんまり見つからないんです。
なんか、メルフィ憲章の布告文とか調べてみても、神聖ローマ帝国だとか、神聖ローマ皇帝だとか、正式な布告文でもそういう名乗りがあんまり出てこなくて。
常なるアウグストゥス・インペラトル!みたいな感じで、アウグストゥスが神聖に掛かってるとも言えなくはないんだけど、アウグストゥス・インペラトル自体はどっちかといえば古いローマ帝国としての皇帝を意識してのものだろうし…
という訳で、神聖の文字が出るのは変かもしれないって感じで、たまに言及される程度であまり使ってません。
第十九節 - 1214年 黒狼 -Calu Etrusci-
紅緋の帝記/御神楽
https://kakuyomu.jp/works/16816700429274331008/episodes/16816700429558822191