風邪をひいた。
家から一歩も出ない生活をしているのに、ひいた、どういうこと?
そういえば……親戚の子がことごとく風邪をもちこんで、家のかなめである母が第一にやられた。
彼女は仕事があるからと言って、パブ*ンGを買いに行って一人で治してしまったが、祖母とわたくしは今頃(潜伏期間おおよそ三日)になって喉が痛くなった。
当然、病院に行く。
舌をべろっとだしてあ~んすると、ライトでもってちらっとのぞき、先生は
「ああ、腫れてますねえ」
風邪薬を処方してくれた。
ほっとしたせいか、かえって喉が痛くなった気がしたが、気のせいではなかった。痛い。喉の奥がじりじりと。ちりちりしてる感じが、ひどくなった。そして目の奥がじんじんする。これもう、限界じゃないか?
風邪をひいてから頑張ったって良いことない。安静にしているべきだ。うん、そうだ。寝よう。
と、思って部屋に戻ったら、でっかい蜘蛛がいて。
わたくしは蛇か蜘蛛かどちらが嫌いかと言われれば蛇なのだが、あそこまででっかい蜘蛛は生まれて初めて見たので内心驚いた。
蜘蛛はGを食べてしまうらしいのでちょっとの間くらいは飼っててあげてもいいのだが、寝室にこられるとさすがに迷惑だ。
壁を這い、カラーボックスの後ろから這い上がり窓枠をつたってわたくしの勉強机を横断し、ぴょん、ぴょんとはねながらゴミ箱の後ろ~扉の前まで逃れてきたので、もう、追い出しちゃえと。
コルクボード二枚を使って扉の外へ誘導しました。
うん、あんまり怖がってないのにはワケがありまして。
手塚治虫先生の作品に「蛇か蜘蛛かどちらかが嫌いな人間はいるが、両方嫌いな人間は少ない」ってあったんですよ。
うん、蛇嫌いです。神様の使いですと言われても小石投げちゃうくらいには嫌い。
なぜならば。日本産の蜘蛛に毒を持ってるものはまずない。が、蛇はいるのである。
ヤマガカシとか、マムシとか。あんまりお目にかかったことはないのだけれども、実際に山とかにいますから。で、万一出くわしたときになって、「ああ、これは毒のあるやつ(あるいはないやつ)だな」とわかったって遅いんです。蛇には対策が必要です。蜘蛛は平気。
そういうわけで、わたくしは蜘蛛はいくらでかくても赤ん坊の手より小さければ大目に見ます。
だけど今日のはでかかった~~三歳児の掌くらいあったわ! まあ、地域的に見て、昔ここはマムシ谷と呼ばれていた谷だったので十年前までタヌキとか本当に出た。(宅地開発されて住処をなくして生ごみを漁っていた)蜘蛛が出たって不思議じゃないのかもしれない。だから、おどろかない。
こないだは二階へ上がろうとしたら、白いヤモリが階段の上から駆けおりてきたもん。驚いたはおどろいたけど、こっちはちょっとおかしみがあった。
「なにを慌てふためいてるんだ?」
くらい思う余裕ありました。今思い出しても吹いちゃいます。
さて、このヤモリくんと蜘蛛ちゃんは(ちゃんつけると不気味さが緩和される気がします)仲がいいのでしょうか? 裏で食い合ってたり、しませんか?