元々割と人に依存するタイプだった。好きな人に振られた時は死にたいって思ったし、好きなアイドルがグループを脱退した時も3日ぐらい大泣きした。だからこそ好きな人がいれば何でもできると、愛が最後に勝つんだ!みたいな感じでずっと思ってた20年間だった。でも、21年目にして私のその価値観は大きく覆される。
2年半付き合った彼氏と別れた。といっても楽しかったのは最初の1年間だけで残りの1年半は生き地獄のような日々だったと思う。それは私だけでなくあの元彼にとってもきっとそうだった。よくがんばったね私たち、なんて言わなかったけど多分お互い思ってたと思う。残りの1年半は経験の乏しい大学生たちにとっては残酷すぎたと思う。
そんな彼氏と別れてから、私は私なりに楽しくやって、彼も彼なりに楽しくやっているようだ。私は本を読んだりゲームをしたりネットの男の子と遊んだりして充実した日々を過ごしていた。風の噂だと、彼は毎週相席屋やクラブへ行っているそうだ。羨ましい。私もお金と時間と性欲さえあればなと思う。残念ながら私には彼ほどのお金も時間も性欲も持っていないため、本を読むか、漫画を読むか、寝るか、YouTubeを見るか、無料のスマホゲームを無料の通話アプリでネットの同世代の人たちと遊んでいる。
そんな私の生活が今はすごく楽しい。何より、彼とのデートのための服を、彼とのデートのためのお金を、彼とのデートのための時間を全て自分のためだけに使うことができる。
彼から返事が来ない間、まだかなあと少し寂しい気持ちで待っていた時間。その時間を今私は甘ったるいはちみつ大量のホットミルクを飲みながらバカリズムの動画を見ている。同じ午後10時という時間。毎日訪れる午後10時。彼からおやすみとLINEが入る午後10時。その時間を今私はバカリズムを見て大笑いしている。あの時の自分に、未来の自分は彼からLINEがこなくてもバカリズムとホットミルクで大笑いしているよ、なんて伝えられたらと思う。
彼と別れたおかげで自分の時間の大切さを知った。趣味の大切さを知った。自分の幸せは自分で作るものだとも知った。その分、一緒にその幸せを分かち合う人がいないのも寂しいかもなと思ったりもするけど、今の私には1人がお似合いのようだ。