良前 収

肚裡（とり）： 腹（心）のうち 会ふ（あ‐ふ）： ［ハ行下二段動詞］重ね合わせて一つにする

さてはどこぞの大店の若旦那か、という風体。柳と呼ばれる、その若い男の目的は。

森の中、少女は棒を握る。 鋭く尖らせた棒で、刺すための鍛練をする。 そして棒から取れた棘が、少女の手のひらを刺す。

日の光で目覚め、優しい侍女たちに世話をされる。 美しい花を眺め、お気に入りのお菓子とお茶を楽しむ。 でも一番美しくて優しいのは、小さな女の子が待ち望んでいるのは、金色の青年。

青年を連れた中年男による貸家の内見。 不動産会社の営業担当者はあれこれドキドキ。 どうか長く住んでくれますように。

魔法使いは祝福を持つから魔法を使える。 祝福は生まれつき持つものだから、魔法は本能や感情や強い意志を乗せて使うときに強くなる。 だったら、どうすれば一番強くなるのだろう？

亜熱帯の日本、若い研究員トオルは地方の研究センターの弱小研究室に入る。彼には目的があったが果たされず……完全な失敗と思いつつもそこで自分の研究を進めるうち、研究室の長である「マリ…

森田座での歌舞伎の興業中、突然現れた死体。同心・彦八と岡っ引・次郎兵衛が捜査に乗り出した。

学校で「祖父母世代から話を聞いてくること」という宿題を出された男の子は、祖父が自分より小さかった頃の「約束」を知る。

元エース・パイロットのユージン・オズボーン中尉は、他の退役軍人と違って、客間に勲章ではなくブーメランのコレクションを飾っていた。

栄えある舞巫女に選ばれていたフェブラは、足首をくじいてその役から追放される。 さらに与えられた罰は、着るはずだった衣装から刺繍を全て自分で取り除くこと。 満足に歩けない彼女はただ…

地球の隣の惑星「青星」に知的生命体がいると分かってから四百年、人類はいよいよ「隣人への手紙」を出そうとしていた。 「手紙の文面」を考える男子学生と、「それを届けよう」としている女…

（第18回角川ビーンズ小説大賞で最終選考候補作となったときのものをそのまま再公開しています） 妃選びのため隣国を訪れた、世継ぎの王子マルタレクス。 彼が再会を心待ちにしていたの…

国家間の代理戦争としてのクエストに赴く、一人の人外と三人の人間。 人外の子を「母」として愛するようになる女剣士。 女剣士へ恋心を抱き始める弟王子。 弟王子への嫉妬と憎悪に燃える…

「異世界召喚さえされれば上手くいくのに」と言っていた男子高校生が、 本当に異世界召喚されてしまい、 最終的に「異世界召喚さえされれば上手くいく」との結論に達するまでの、 物語。

「殺してやる殺してやる殺してやる。ボクは全身全霊で誓った。それはもう神かけてこの命に代えてもってぐらい。」 だらけた不良が真面目な秀才に決闘を申し込むに至った経緯。