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読んだ

書かないといけないのにと思いながらも気づいたらコージーミステリを読んでいたのでした。いわゆる素人探偵ものですね。
というわけで、エルー・アレグザンダー[作]越智睦[訳]『ビール職人の醸造と推理』を読みました。
面白かったーのでネタバレ注意ー

えーとこちら、例のごとく手に取ってみたらニ巻だったので頭にきて一巻と一緒に読むことにしました。こちらはシリーズ一作目のほう。創元推理文庫はニ時間で読めるから好き。

で、あらすじは……アメリカ北西部に実在するレブンワースというドイツ村的なビールの個人醸造家が集う街にある最大手のブルワリー(醸造家)で働く女性主人公がビール作って料理つくって事件を解決する話です。
ザ・コージーミステリ! 田舎!

ただこちら、出ダンナの浮気となっております! 相手は23の店のウェイトレスです!
私は最初ハハーンこれは浮気だと思ったら実は誤解でダンナとのスラップスティックなラブコメしつつ事件が起きてってパターンだなと思いました。
ガチ浮気で離婚半歩手前までいきました。高校生くらいの一児(男児)あり。
……斬新! ある意味で斬新!

主人公はダンナ実家の店を離れて新米さんのとこで無双しはじめますが、ライバル企業の店員が新米さんの店で死んでいるのが発見されます。でもってダンナが容疑者に。
主人公はやりたくないけどダンナの両親がいい人だし一応はダンナも人殺すような人じゃないしと調査に乗り出すのでした。

文体は軽快な一人称で、癖もなく、訳者さんがビール好きだからなのか非常に読みやすかったです。説明も過不足なし。ちょこちょこ読んできて創元推理文庫の海外翻訳本に対する信頼があがってきていますね。

といったところでお気に入りポインツ1!
まあ、ビールと、メシ、ですかね? 作者さんがお菓子作りが趣味とのことで、なんかでてくるの作ってみようかって気になるくらいにはなります。

他は……気にいったキャラが被害者としてすぐに死んじゃったので、読みやすさが気に入ったって感じでしょうか。とても読みやすかったです。

書いてて思い出したお気に入りポインツ3!
ミスリードを促そうとするキーワードの入れ方がいい意味でわざとらしく、また全編に通底して怪しめる設計になっていました。
いい意味でわざとらしいというのは、全体の文体の読みやすさもあり、最初にこいつが犯人だろうなって気づいたところから、あれミスリードされたか? ってなるくらいの強度をもったワードを入れるのが上手いって感じです。読者が読者自身を疑うワードの配置? みたいな?


ここから気になるポインツ1!
犯人が出オチというか、ああ、初見でこいつが犯人だろうなってなりました。ただ動機が見えなくて、真相が、こう、メリケン後出しジャンケンですね。ストーリーを追うって言う意味では別にいいんですけどね。

気になるポインツ2!
ダンナの性格的にこのタイミングで浮気した理由がまったく分からないです。浮気しそうなキャラで浮気そのものに納得はいっているんですけど、相手の魅力とかもたいして語られないので気になるっちゃ気になります。本筋には関係ないのでどうでもいいといえばいいですね。

気になるポインツ3!
ミスリード狙いなのか犯人を決めずに書いたのか、ミスリード絡みのネタがそこ放置でいいんですかっていうのが多い……気がします。私はごく微かにモヤりました。


まとめ。
休日にニ時間くらいの空き時間があったらサクっと読めるコージーミステリです。パズラー好きにはいまいちでしょうが、お仕事ものサスペンスとしては良い出来ではないでしょうか。創元さんはこれを日本酒の酒造所くらいに翻案して2時間ドラマとして売り込めばいいのに。みたいな。そんな感じでした。


明日のラッキー思いつき嘘知識
『ビールを意味する英単語ビアー(Beer)と髭を意味するビアード(Beard)は、熊(Bear)や蜂(Bee)と語源を同一にしている』

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