無能力者ルークは特殊装甲に包まれた000―トリプルゼロだ。ファンタジー世界に降り立った科学の戦士。亡くなった王のため、人々の笑顔を守るためサポート役のクリスと共に悪に立ち向かう。
無能力者ルーク・リファルドは、王の孫に生まれた。王になり、公国を平和に導いていく。子供心に祖父のような立派な王になりたいと思っていた。
「おじいちゃんのような王様になれるかな」
「あぁ、ルークならなれるよ」
国は王が推し進めたギア製造により、莫大な富をもたらした。このギアを使えば無能力者でも剣士や魔法使いなど、一定ランクの仕事をすることができる。無能力者だからと言って将来決まってしまうことがないように、と王が考えたことだった。
ある時、このギア装着中に事故が起こった。ルークの父親のギアが装着中に暴走し、ルークの母親を殺してしまったのだ。不慮の事故だと報告された。愛する妻を失った悲しみと自分が手をかけた苦しみから、父親は数日後自殺してしまう。
ルークは王を憎んだ。王は何度も謝る。ルークは王を憎んだが、悲しいのは王も同じだと知った。それから、王を憎むのをやめ距離を置くようになった。
クリスが王の秘書になったのもこの頃だった。ルークと同じ14歳だったが、彼女の立ち居振る舞いは、全てが完璧だった。陰で人は王の妾だと口々に言っていた。
ルークはそんな噂などどうでも良かった。その頃から王になるのではなく、商人になりたいと思うようになった。大量に生産することにより、コストを下げ子供達の手の届くお金でおもちゃを売りたい。この時からのルークの夢になった。
二年後、王は亡くなった。王は亡くなる前の数日、何度もルークに謝った。
葬儀が行われ、クリスから遺書の存在が明かされる。王をサポートする騎士団や元老院からはケインが王の後継となると噂をされていた。ケインもまた、自分が王になると思っていた。野心の強い男だった。
遺書には驚きのことが書かれていた。
ギアを悪用する悪の組織がある。彼らはギアを誤作動させて、彼らの意のままに操ることができる。ルークはクリスのサポートを受けて次期の王として、スマートドライブを起動し、この国を救って欲しい。
ルークにはこの国を救うなんて夢はもうなかった。彼の夢は商人になることだ。だから、ルークはその場から飛び出した。城から飛び出したルークをクリスが後を追う。
タイトルも変わりました。
本日から公開していく予定です。
初めてのファンタジー? 小説です。
よろしくお願いします。