基本的にわたくしは、小説を書くに際してある程度の筋書き(プロット)を作っておき、
それに沿って書き始めるのですが、
まあ、まず間違いなくプロットの通りに進むことはありません。
なので、プロットをこまめに修正しつつ、物語を書き進めていくわけですが、
当初の筋書き通りに話が進まない理由は大きく2つあるかと思います。
1つ目は、舞台設定と矛盾が生じてしまって修正せざるを得ない場合。
例えばA地点からB地点まで、徒歩で3日の距離にあるとの前提で書いていたとすれば、B地点からA地点に戻る際も、何か違う方法を使わない限り3日で戻ってくる必要があります。
なのに、プロットで「その翌日、A地点に戻った主人公たちは○○と出会う」と書いてあると、
こ、これは間に合わぬ…
となるわけです。
そこでファンタジーなら転移魔法を使ったり、ドラゴン出しちゃったり、
現代ものなら救世主が現れて車で送ってくれたり、と
時間短縮の荒業を用いることもあれば、
筋書きを手直しする必要に迫られることもあるわけです。
しかし、まあ、これは「力技」か「修正」でなんとかなりますが、
もう1つ、
キャラクターが勝手に走り出した場合。
この場合は大変です。
主要キャラクターは結構、キャラ設定がしっかりしていて、ある程度行動を予測できると思うのですが、
本来、主要キャラクターとして位置付けていなかったキャラクターが、文章を書き進めているうちに、妙に生き生きと輝きだす場合があります。
現在執筆中の「王の夢 幾万の夢」ですと、第3章「県伯」に、「緑延(りょくえん)」というキャラクターが登場しますが、
この方、当初はそれほど重要なキャラクターではなく、まして「県伯」という章のタイトルになるような設定では到底ありませんでした。
ところが、書き始めたらこれが面白い。
なにこのワルモノ。ぞくぞくしちゃう♪
てな感じで、プロットが大きく書き換わりまして、
ちょっと面白い展開になりそうだな、なんて自分でも楽しみになっています。
主人公でこれをやられちゃうと大変なのですが、わき役のはずのキャラクターが走り出す、突然輝きだす、なんてのも、
小説を書く楽しみの一つなのかもしれません。
(といって、暴走されちゃうと収拾がつかなくなって筆が止まっちゃうんですけれども)