新年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
呑んでばかりの元旦……ではありませんけれど、昼酒でしたね。昨年は暮れまでバタバタでしたので、久々に休日を満喫した感じです。
私がよく読んでいた作家は大藪春彦先生、池波正太郎先生、司馬遼太郎先生と、戦前生まれの戦後に作家として活躍されている先生方ですが、共通して感じたのは食へのこだわりです。
池波先生は言わず知れたグルメですし、司馬先生の作品でも食のシーンが粗食であっても細かかったりします。
大藪先生は何でも食べられてますね。作家であると同時に、日本でも著名なハンターでもいらっしゃいました。個人的に最高傑作だと思っている「ヘッド・ハンター」は、シカ・クマ・トナカイ・オオカミ・バイソン・鳥などをひたすら狩って、素晴らしいトロフィー(ヘッド)を集めると同時に、某金の神様漫画並のサバイバル技術を発揮していく話です。
鹿肉の話とか、スゴいですよ。獲ってすぐ食べてもおいしくなく、熟成させる必要があるとか。それまで何を食べるかというと肝臓や心臓、珍味でもある脳とか、(ピーッ)ガンが卒倒するくらい、現地調達で狩りをしていく話です。
大藪先生というと銃器と車とアクションが定番ですが、そんなシーンは1割くらい。後はひたすら、野生動物を追いかけていくという、異色の話でした。ちなみにこのサバイバルなシーンは、先生の経験が元になっているそうです。
大藪作品のスターと言えば伊達邦彦ですが、伊達邦彦シリーズの「諜報局破壊班員」も印象的でした。
大藪版007と言うべきスパイアクション作品なのですが、主な舞台はモナコ~ニース。きらびやかでカジノのシーンもあります。美女も出てきます。ウフフな展開ももちろんございます。が、個人的に印象に残ってるのは食事のシーン。
イギリスでの朝食も印象的でした。ニースのレストランでの前菜から始まり、食後のコニャックと葉巻で終わる食事のシーンは最も心に残りました。その他に田舎の食堂、海上レストランなど、どれも読んでいて涎が出そうになる描写でした。
本当に個人的な印象ですが、物理的に食べるのが困難な時代を経験されているからこそ、食への執着が作品に現れたのかな、と考えています。
戦争が無い、平和な時代が続いて食べるのに苦労しないままであって欲しい、と切実に思います。ウクライナ侵略もええかげんにしろよ、ワロージャ。