プライドが高い人は「自分ならこれくらいできる」みたいな、自分に課すハードルが高いと思うの。なぜかというと、他人より低いハードルを設定することは、無駄に高いプライドが許さないからね。
だけど当然、そんな風に自分の実力に見合わない形で上げたハードルは、そう易々とは飛び越えられないわ。思い切り衝突して、ハードルごと派手に転んでしまう。それが世の中の法則っていうもんよ。
思い切りハードルにぶつかってしまった人の反応は、おおよそ次の三つに分けられると思うの。
①ハードルにぶつかったこと(即ち、自分が壁にぶち当たっていること)を認めない
②「自分はこの程度のハードルも飛び越えられないのか」と、自己嫌悪にふける
③「ああ、自分は挫折したんだな」と冷静に状況を判断する
即興で書いたから、抜け漏れはあるかもしれないわね。
③ができたら大したものよ。人間として立派ね。尊敬しちゃうわ。
だけど、たぶん(自分も含めて)ほとんどの人は、②か③になっちゃうと思うの。
①もまあ問題だけど、特に厄介なのは②にね。
②の一番の問題点は、自分が身の丈に合っていないハードルを設定したことに気づいていないとこね。自分の実力を大幅に過大評価してるわけだから、そりゃあどこかで無理が来るわよ。
自己嫌悪っていうのも問題だわね。んなことしたって糞の役にもた立ちゃしないわ。
「自分の実力なんて大したことない。壁にぶち当たったら、まずは最初に建てたハードルが身の丈に合ったものだったか、疑ってみよう」
こんな感じのことを肝に銘じとけば、上手にハードルを設定して、自己嫌悪に陥らずに済むのかもね。過剰なプライドまで下げられるかはわからないけど。
(九月二十七日 自分への戒めを込めて)