ちょっと面白すぎたんで語りますね。
結論から言いましょう。めっちゃ面白かった!!!
個人的には「心が叫びたがってるんだ」のほうが刺さりました。どちらの映画も同じ脚本家の方が手掛けているらしいですが、「えっ、本当に同じ人が書いたの?」って思っちゃうくらい、内容的には差別化が図れていたと思います。
例えばキャラクター。「あの花」のキャラはもう完全にアニメアニメしてますよね。めんまとかを見るとわかりやすい。可愛いけど、もし現実にあんな女がいたらドン引きです。あれはアニメの中、二次元だから許されているようなもの。ほかのキャラも同様ですね。ぽっぽとかゆきあつだとか、現実で出会ったらそっと距離を置きたくなるような奴らばっかりです。「超平和バスターズは伏魔殿だ」みたいな噂が立ってもおかしくないでしょう。
対して「ここさけ」のキャラは、だいぶ現実的な方向に舵を切っているかと。どのキャラも心に高校生らしい悩みを抱えていて、それがたまらなくリアルなんですよね。
ぽっぽ、じんたん、ゆきあつ……。彼らは皆「人生終わってる奴」でした。特にぽっぽとか、中卒で無計画に海外を飛び回った挙句、今更日本に帰ってきて高卒認定の資格に挑戦する、みたいな暴挙をかましています。
しかし私の見たところ、「ここさけ」にはそのようなキャラはいません。どのキャラもほどほどに人生を楽しみ、ほどほどの高校生活を送っています。それは成瀬も例外ではありません。だいたい彼女、声が出なかったとしても、携帯でいつでも意思疎通がとれてしまうんです。話せないのは確かに不便ではありますが、これが成瀬の不幸を決定づけている要因かというと、それは少し違う気がします。
「ここさけ」の魅力はまさにそこじゃないでしょうか。メインキャラクターたちは決して不幸な状況いるのではありません。ならば彼らは幸福なのかと言うと、それもまた違和感があります。幸福でも、不幸でもない。どこか満ち足りない気分を抱えつつ、でもこの現状を何とか変えようとあがく。その姿に感動するんじゃないでしょうかね。