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『帝国への海図』もうすぐ完了します

 ここ2年ほど、ずっと懸案だった『帝国への海図』がもうすぐ完了します。

 この作品は某新人賞に応募するために書きはじめたものの、文量が多くなりすぎてしまい、遂には応募できる新人賞がどこにも無くなってしまったもの。

 以前に、ただ眠らすのはもったいないなと思って、文章量の規定の大きい、当初の目標とは違う別の新人賞向けに、エピソードを削り、句読点も最小限にして、あと一回改行したら、もう規定オーバーという限界まで削り込んだものを応募してみたのですが、当然ながらの一次落ち。

『カクヨム』には、この削り込んでダイエットした方のバージョンを元にして、逆に加筆しながら連載を始めました。今も最新話の公開と共に、加筆が進んでいます。

 現在はまだ連載途中の段階ながら、既に一番最初に書いた長いバージョンよりも、長くなってしまっています。この調子で最終話までいくと、最初のバージョンの3割増しくらいになりそう。
最早、もうどこにも応募できませんね。

 自分で評価すると、最初のバージョンより長くなっているのに、内容はずっと締まった感じになっていると思っています。
 一旦書いたものを削って、また膨らますという手法もあるのだなと気付いたのが今回です。

 小説を書くのって、まだまだ知らない事が沢山ありますね。手引書を幾ら読んでも身につかないから、自分で体験するしかありません。まだまだやることが沢山あるなあと、ため息が出ます。

 今はもう『帝国への海図』の次も考え初めています。同じ手法で過去作を加筆するのか? プロットだけ書いてある新作を書くのか?

 違う作風も試してみたいと思ってみたり……
 でも、ラノベの文体だけはどうもだめだな……
 どうしても、体になじまない……


2件のコメント

  •  一度書いた原稿をゴリゴリと削って「研ぎ澄ます」のは、冒険作家(と呼んでもいいでしょう)、北方謙三氏の作風だそうです。まだ三国志か水滸伝を書いてる最中の頃だったと思いますが、確か大沢在昌との対談でそんなことを言っていました。嘘か誠か、400枚の原稿のために800枚書いて、そこから削り落とすのだそうです。

     同じく冒険作家として著名な志水辰夫氏(近年は恋愛系ミステリが多いですが)は、逆に100枚程度書いたものを膨らませて400枚にするのだとか。同じ対談集で言っていました。

     図らずも、二大冒険作家の小説作法を一度に体験したことになりますね。面白い。


     自分のコンテスト参加用原稿で脳みそめいっぱいになってしまって申し訳なくもまだ読めておりませんが、『帝国の海図』期待しております。

  • 久保田 様

     ありがとうございます。

     大御所お二人を引き合いに出されますと、恐縮して小さくなってしまいます。
     私の場合は、お二人のように、良い作品をより良くするのではなく、未熟な作品を少しでもましにする作業なので、比べ物になりません。

     しかしながら、一度書いた作品を、もういちど触れるというのは、大御所とアマチュア作家にだけ許された特権とも言えますね。

     書けば書くほど欠点に気付くというのは、これから先の無限の苦労を思わざるを得ず、その都度微かな絶望感を味わいます。
     それでも書くのは、嘘をつくのが楽しいからですね。まだ見ぬ読者の顔を思い描いて、今度はどんな嘘をついて驚かそうかとばかり考えます。

     実は、久保田さんが御自分に課題を設定されて作品を書かれていたことに感化され、『漫画原作コンテスト』に応募しようかと思っています。モチーフもがらりと変えて、学園コメディです。
     まだ書きはじめてもいないので、もしかすると途中でギブアップするのかもしれませんが、きっとまた何かが得られるものと信じて。
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