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【魔導士物語】第十八話「境界」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093074664077318

そんなわけで、第十八話です。

明日から四月ですよ。早いな~!

エイナは軍人ですから、独断では行動できません。
取りあえず、蒼龍帝の指示を仰ぎましたが、ことはいち地方管区の権限を超えますから、参謀本部の判断を求めるのは、当然の成り行きです。
そもそもシルヴィアとカー君が、エイナの補助として護衛についたのは、戦力よりもこうした突発的な事態が起きた際、いちはやく連絡をつけるためです。

アラン少佐とロック鳥が作成した大森林の地図は、地形図と言い換えてもいいかもしれません。
北部ボルゾ川沿岸沿いに「船曳街道」が通るほかは、東部の端の方に王国軍の駐屯地、そして南カシルがある以外、集落も道もありませんから、当然ですね。

シルヴィアの話から、どうやら境界の目印の先には他民族の勢力圏があるらしく、王国は危ういながらも彼らとの外交関係を保っているようです。
一応は意思疎通ができるという話なので、大陸の共通語である「中原語」を話す、一定の文化を持った民族のようですね。

境界の目印となるアオヤジロについては、ググってみてください。
スギの変種みたいなもので、先(梢)の方の葉が黄色い(金色とも表現される)こと、非常に芳香がよいことが特徴です。
その香りのよさから、酒樽として珍重されたようですが、現代ではごくごく少数しか生育せず、人工的な増殖も試みられているようです。

最後の方では、マグス大佐の本音が語られています。
エイナはまんまと丸め込まれたということでしょうか。
マリウスは大佐のもとで働いたこともありますので、彼女の本性をよく知っています。
「甘い!」というセリフはうなずけます。

それにも関わらず、カメリアの安否を帝国側に伝えることを約束したのは、その方がエイナが頑張るからです。
部下に不満を抱かせたまま使うのと、自ら積極的に仕事に向かわせるのと、どちらが得か、マリウスはよく分かっています。

そんなわけで、次回はいよいよ境界の先にいる民族の正体が明かされます。どうかお楽しみに!

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