• 異世界ファンタジー
  • 詩・童話・その他

【魔導士物語】第二十三話「虜囚」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093075606338699

そんなわけで、第二十三話です。

幻獣界においては、「闇の眷属」と称される者もいて、忌み嫌われています。
彼らが表の世界に出てくると、種族に関係なく幻獣界の住民が見つけ出して襲いかかり、殲滅しようとします。
そのため、闇の眷属たちは地中深くや闇のわだかまりの中で、ひっそりと息をひそめています。
時々隙を見ては地表に出現し、獲物を捕らえて彼らの世界に引きずり込みます。

要するに、完全に日陰者の存在で、かなり窮屈な棲息環境だと言えます。
そのため、彼らは幻獣界とつながっている、エイナたちの世界に渡ろうとします。
吸血鬼はその代表格ですね。

もともと地中や闇の中で暮らしていた関係で、吸血鬼は冷涼な気候を好みます。
そのため、帝国やエウロペ諸王国、そしてケルトニアに分布しています。
吸血鬼はかなり広い縄張りを必要とします。
あまり狭い地域で人間を襲い続けると、人間側が団結して逆襲してくる恐れがあります。
特に、人間がエルフに教わった魔法が使えるようになると、かなり手強い相手になってきました。
縄張りが広いと、人間に気づかれずに獲物を狩ることが可能なのです。

そのため、吸血鬼同士の勢力争いというものが存在します。
ベラスケスはかなり古い時代にこの世界に渡ってきた吸血鬼で、かつては広大な縄張りを持っていました。
ところが、エイナの両親が彼の領地で吸血鬼を狩りまくり、重要な戦力である第二世代の幹部たちが激減してしまいます。

ベラスケスはもう盛りを過ぎた老齢期に達していて、そう簡単に眷属を作ることができなくなっています(眷属一人を作るのに、大量の人間の血が必要で不効率)。
戦力が減退した彼の領地は、新世代の吸血鬼であるオルロック伯に蚕食され、ますます窮地に陥ってしまいました。
追い詰められたベラスケスは、南側の王国に目をつけますが、王国には幻獣界から召喚された強力な幻獣がうようよしています。
彼らは吸血鬼の天敵なので、王国に進出するためには戦力を整える必要があった――というのが、今回の事件の背景です。

そんなわけで、やっとカメリアさんが出てきました。
檻の中でさらし者にされているとはいえ、一応食事は与えられているようで、彼女はオークたちの文明レベルを観察したり、ジャヤから情報を引き出そうとしています。
かなり過酷な環境なのですが、西部戦線の塹壕に比べれば天国のような世界なので、カメリアは割と平気です。
ただ、風呂には入りたいみたいですw

さて、次回から人質の捜索が始まるはずです。
吸血鬼たちは、オークの女の子を捕らえて、闇の通路に引きずり込みました。
エイナたちは、どうやってこれを追うのでしょうか?
どうかお楽しみに。

ところで、皆様のところにも日常的に詐欺メールが届いていると思います。
最近の主流は、カードの不正使用に関わるものだと思うのですが、中国あたりの馬鹿が乱発しているらしく、怪しげな日本語が混じっていて、一発でバレてしまいます。
今朝届いたものは、特に傑作でした。

昨日、満開の桜を見物に行ってきました。春ですね~!

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する