• エッセイ・ノンフィクション

主人公の性別を考えるのは時代遅れ?

漫画やアニメと違って、小説には主人公の外見を想像する“間《ま》”がありますよね。

一人称視点だと、主人公の容姿は直接描写されないことが多いので、
読者はどんな主人公なのか、姿形を想像するところから始まります(たぶん)。

実際、私が小説を読み始めるときも、まずは主人公が男か女かを想像するわけです。

だけど、今ってジェンダーレスの時代じゃないですか。
なので、性別から想像しはじめるのも時代遅れなのかな、と考えたり。


さて本題です。以下の作品の主人公は男か女のどちらだと思いますか?

```

 昼過ぎの出社は『格別《かくべつ》』だ。

 喫茶店で軽めのランチを済ませ、すいた電車に乗って、会社へと向かう。
 都心に向かう電車でも、昼の時間ならまばらにあきがある。満員電車に揉まれて、朝から神経をすり減らすこともない。
 行きたいときに行き、帰りたいときに帰ることができる。フレックス制の会社の特権だと思う。

 席に座りながらまわりに目をやると、暗黙の了解というのか、空席をひとつずつ挟んで、乗客たちが綺麗に並んでいた。

 やがて電車が駅に停まる。
 ひらいたドアの外側から、四十歳前後のおじさんが入ってきた。
 おじさんはあたりを見渡したあと、三つならんだ優先席の空席を避けて、私のとなりへと腰掛けた。私は少しだけ、身体を引いた。

 ──なんだろう?

 私はおじさんに妙なひっかかりを覚えた。

 おじさんは、大きな黒革のトートバッグを窮屈そうに膝の上に置く。黒い残像が、私の視界の隅をチラチラと出入りする。

(「電車で知らないおじさんが隣に座ってきた」より引用)

```

実のところ引用でもなんでもなくって、私が今書いているエッセイなわけなんですが…苦笑
(つまり主人公は野武士のような男)

書き手を女かな? と思わせて、実は男でした~ってのをやりたいんですよね。
でも、それができているのか、仕掛けが足りないのかが分からない🤔
というわけで聞いてみました


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ようやく去年のカクヨムコンテスト分の読み返しが終わりました!
これからはカクヨム公式企画(怖い話)で読んでくださった方の読み返しを始めていきます!
覚悟してお待ちを笑


あと、前回のカクヨムコンテストに出した作品を非公開にしました
個人的にはコメントのやりとりを気に入っていて、残したかったのですが…

やさしい方々がどちらも読んだうえで、♡や☆をくださるのです。
アコギな商売をやっているようで、いまさら追いかけてくる罪悪感。ただの焼き回しなのに

ありがとうございました!

10件のコメント

  • うわっ、うまいです。
    私はもう主人公が女性だと思いました。
    ああ、スケベなオッサンがとなりに座ってきたのだなと(笑)

    けっこう、小説とかでは性別って、大切だと思います。
    どちらか分からないまま読んでると、もぞもぞします(笑)
  • ジェンダーレスの時代ですが、男も女もジェンダーレスの方もそこには存在するわけで、男と女がいなくなったわけではないので性別を想像することから始めてもいいと私は思いますけれどねぇ。

    そういうのは自由でいいと思っているのですが、最近のなんでもジェンダーレスと言われるのにはちょっぴり抵抗があります(笑)

    多様性って少数派を過度に擁護することじゃなくて皆それぞれでいいじゃん?ってことだよねぇ……と。

    中辛さんの文章は確かにどっちだろう!!
    一人称が『私』でおじさんが隣りに座ってきたと書かれると女性かな?と一瞬思ってしまいます。
  • 読み始めたときは男性だと思いましたが「おじさん」という言い方で女性なのかと思いなおし、最後は実は分かりませんでした。
    すみません、私の読解力が全くないのが露呈してしまいますね><;

    主人公の性別>とタイトルにあったので最近出たドラクエの話しかと思ったのですが違ってた(笑)

    それは置いておき、ポリコレやり過ぎて訳わからないものよりは性別ハッキリしてる方が読み手には優しいかなと思います^^
  • 私も日間田葉さまと同じで、男性だと思い読み進みて行くと、あれ?女性かな?と思い、ラストは分からなくなりました。

    女性かと思わせるなら、昼過ぎ、昼の時間の頭に『お』をつけると更に女性らしい文章になります
    女性の大半は『お昼』と言いますので、ここが男性かな?と思わせるポイントでしょうか。
    さて、どっちでしょう?(〃艸〃)的な仕掛け、面白いですね
    さすがです!
    こういう仕掛けがさらっと書けるって羨ましいです
  • ポンポコさん

    コメントありがとうございます。もぞもぞするの分かります笑
    分からないまま進むのが気持ち悪くて、何度か冒頭を読み直すこともあったり…

    伝わりましたか~よかったです。
    まだまだ改良の余地はありそうですけど、伝わる人がいてよかったです。
    「他に空席があるのに、電車で隣に座ってくるやつが多すぎる」と文句を垂れていた知り合いの女の子がいて、そのシチュエーションに近づくように描写したんですよ~
  • 東雲 晴加さん
    >男と女がいなくなったわけではないので性別を想像することから始めてもいいと私は思いますけれどねぇ。

    あーたしかに。男と女がいなくなったわけではないのにという言葉、ここ最近で聞いたなかで一番腑に落ちるコメントでした。
    言われてみたらそうですね。いいですね。

    >そういうのは自由でいいと思っているのですが、最近のなんでもジェンダーレスと言われるのにはちょっぴり抵抗があります(笑)

    うんうん。過ぎたるはなお及ばざるがごとし、ってよく言ったもんだな~って思います。
  • 日間田さん

    そんなコメントを待ってました! ありがとうございます!
    最初にChatGPTに聞いたとき「ちょい分かりづらいっすね~」と言われたので危惧してたんですよ。
    伝わりませんでしたか~ やはり改良の余地がありそう…

    ただエッセイってやりすぎると嘘になるのが難しいですよね。そこが楽しいところでもあるんですが。
    指先のネイルを~とか長い髪を風にたなびかせ~とか、やりだすと嘘になってしまう笑

    ドラクエ笑。たしかに同じタイトルでドラクエのタイムリーな話題を書けそうです笑。
  • 蓮条さん

    ありがとうございます!
    具体的な改善案を頂けるなんて感動です!

    なるほど~"お"昼ですか。私にはない視点でした。勉強になります!

    冒頭部分はいつも筆の乗るがままに書いているので、どうしても私の色が濃くなってしまうんですよね...
    書きたいものにお技術がついてくるようにお頑張ります!
    (ちょっとふざけるつもりがだいぶ失礼な文章になってしまいました、すみません😂)
  • 読者の想像に委ねる表現は大きな可能性を感じます。私は既存の「男女」のイメージを補強、上書きするような表現をしたくないと思いつつ、ともすれば無意識のうちにそこに縛られていることを感じることが多々あります。
    少なくとも「男は外女は内」式の差別を助長するような作品だけは書きたくないと願っております。
  • 野栗さん

    はじめまして(ですよね?)
    そうですね~ 考えてみたら無意識的にっていうケースは結構ありますよね。
    人は何をもってらしさを感じているのか不思議です。
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