尾崎中夜

ぼんやりとした気持ち、薄暗い気持ちになったとき、なにか書こうかな。 そんなゆるいエッセイです。 気まぐれ更新、気まぐれ文量、気まぐれ内容となっております。

「空が曇っていたからです」 　医師から過量服薬の理由について訊かれたとき、かつて《八方美人姫》と呼ばれていたミステリアスな女性――宮原こずえは、その理由を答えられなかった。 「…

無職の彼氏としっかり者の彼女が、二人の将来について語り合う日常ドラマ（※15分ほどの戯曲です）

　雨の夜、二人の女性がさよならをするまでの切ない百合ドラマ（※15～20分ほどの戯曲です）

セリーヌとヘッセが恋をした。 ――そしてふたりは、夜になりました。

　柳間詩織《やなぎましおり》は中学三年間を帰宅部で過ごし、そのことに密かなコンプレックスを抱いていた。 　中学三年生の九月、詩織は小説ラブの同級生――二階堂文雄《にかいどうふみお…