ミリタリー描写に関しての自戒です。
すごいやらかしてたのに気づいたので、共有するために書きます。
小説でミリタリーな描写をする場合、ついつい銃の型番なんかを書いてしまいます。
俺の使う銃、こいつはM1911A1ガバメントだこいつはウンヌンカンヌン。
そう、こんな感じに。
ある日、これにふと思いました。これ書く意味ある?って。
銃の型番や性能を詳細に必要があるのは、それはチラシです。
小説は銃を売るためのチラシではないので、そんなもん書く必要はありません。
ですが、自分が読んだ事のある、面白いミリタリー描写のある小説ではめっちゃ書いてあります。
でも自分が書くと面白くない。これは何故か?
「書く意味がない」書き方をしてないか?ということです。
つまりです、銃の型番を書くという事は、その銃を「区別」する必要があるわけです。
その銃が無数の区別不能の銃器の中で、なぜ区別されなければならないのか?
それがガジェットとして特別であり、他一般のものと、区別されないといけない理由があるからです。
例えば河原にはたくさんの石が転がっています。それをいちいち意識して名前を読み上げたりはしません。赤い石、白い石、程度です。
例えばこれは蛍石、と取り上げたなら、次は読者はその次を期待するはずです。
蛍石って何だろう?何に使うんだろう?主人公は何でこれを他の石と区別したんだろう?といった具合に。
これは蛍石だな。そこで終わって、その後も一切石に関係することが登場しなかったら、ただの豆知識の披露です。読者は、「はぁ?」ってなります。
つまり銃の型番を読み上げるという事は、以下のような事をしないといけないわけです。
俺が相棒にしているのはM1911A1ガバメント。採用年代は第一次大戦前、かなりの骨董品だが、こいつの威力と信頼性を俺は信頼している。
装弾数はたったの7発。だが探偵の俺には、これで十分だ。戦争をするわけじゃないからな。
――そしてなにより、こいつは強いアメリカの象徴だ。
このキャラクターは探偵であり、トリガーハッピーではない、そして強いアメリカ、という言葉からかなりの愛国者で典型的アメリカ人なのかな?というところまで情報が拾えます。
これをやらないで銃の型番だけ出してもしょうがないわけです。
いやはや、MP40やRPK、ドリリング周りの描写を見直してこう思った次第です。
ちょっと修正をどうするか考え中です。